ダイエットに挑戦したけど、1カ月で挫折した・・・。そんな経験ありませんか?実はそれ、「味覚」のせいかもしれません。そこで、ダイエット外来で10万人の患者と接してきた医師・工藤孝文先生が提唱するのが「デブ味覚」を「やせ味覚」にするため、1日1杯「やせる出汁」を飲むダイエットです。その理由や方法を、話題の書籍より5回にわたってご紹介します。
※この記事は『1日1杯飲むだけダイエット やせる出汁』(工藤孝文/アスコム)からの抜粋です。
前の記事「研究で判明!?「太っている人はこってり味が好き」は本当か/やせる出汁(2)」はこちら。
「デブ味覚」は、2週間でリセットできる!
ダイエットを成功させるには、食欲のコントロールが絶対条件。しかし、いったんデブ味覚になると、こってり味や甘い味を好んで摂取するようになり、脳も快感物質ドーパミンをつくることで、デブ味覚から逃れられないようにしています。
この2つの問題を解決しないことには、ダイエットの成功率はガクンと下がります。
そこで、私が提案するのが、味覚リセットです。
薄味でも満足できるやせ味覚を取り戻せば、ヘルシーな食材でもおいしいと感じられるため、食事の満足度が高まります。さらに、脳の誤学習を正していくことで、抑えきれない食欲を手放すことができるのです。
味覚リセットに必要な期間は、わずか2週間。これなら、飽きっぽい人でもきっと続けられるはずです。
なぜ、2週間かといえば、舌で味を感じる味蕾の細胞が生まれ変わるのに必要な期間が2週間ほどだからです。この間、こってり味や甘い味を極力控えることで、舌は本来の味覚を取り戻します。
実際には、1週間くらいで味覚の変化を自分でも感じられるようになりますから、2週間という期間をそれほど長くは感じないはずです。
では実際どうすればいいか?
「やせる出汁」が、味覚リセットを強力にサポートするので、これまでダイエットがうまくいかなかった人もご安心ください。
「出汁の味で満足できるわけがない!」と思うかもしれませんね。日本人にとって出汁は、本能的に満足できるソウルフードです。なぜ、出汁ならうまくいくのかを、これからご説明していきましょう。
日本人の舌がいちばんよろこぶ「出汁」があなたの味覚を矯正する
デブ味覚から脱するのに必要なことは、薄味でも、舌と心を満足させることです。
実は、ダイエット成功のカギは、ストレスコントロールにもあります。
私のダイエット外来には、多いと1日に300人もの患者さんが来ます。診察で何よりも心がけているのが、患者さんのストレスを最大限に取り除くことです。
やけ食いという言葉があるように、やはり、ストレスは食欲に直結します。
食べると一瞬だけど気分が高揚して、ストレスが解消したような気持ちになります。
ところが直後には、血糖値の乱高下によって気分が不安定になったり、食べ過ぎたことによる後悔など、ネガティブな感情に支配されてしまいがちです。
そこで、患者さんがストレスを感じずにデブ味覚をやせ味覚へと変えていくには、どんな方法があるかと考えました。
そして、たどり着いたのが出汁の「うま味」を活用した「やせる出汁」でした。
生まれつきデブ味覚の人はいません。味覚は、お母さんのお腹の中にいるときに発達しますが、実は、羊水の中にはうま味物質であるグルタミン酸が含まれており、母乳にも同じようにグルタミン酸が豊富に含まれています。
うま味インフォメーションセンターが生後4カ月の赤ちゃんに対して行った実験では、酸味と苦味を含んだ溶液には拒絶するしぐさを示し、甘味には穏やかな表情を見せました(健康を考慮し塩味は与えていない)。さらに、野菜スープを与えると赤ちゃんは顔をしかめますが、うま味を加えると、穏やかな表情になりました。
うま味は私たちが本能的に好む味なのです。
出汁を活用して、うま味を感じられる味覚にリセットし、正しい味覚へと矯正していきましょう。
次の記事「味覚が変わってダイエットが無理なく続く!「やせる出汁」の作り方/やせる出汁(4)」はこちら。
30人の実践データや、やせる出汁の15のアレンジレシピなどが満載です