誰もが一度は聞いたことのある「リンパ」。しかしネット上では「リンパが腫れているって言われたけどリンパってどこ?」「リンパマッサージって本当に効くのかな」など、リンパについて詳しく知らない人も多いようです。そこで今回は、美容と健康を促進するリンパの力を見ていきましょう。
たった10分でむくみを改善する「リンパドレナージ」
昨年放送された「主治医が見つかる診療所」(テレビ東京系)では、"リンパ"について特集。番組では「後藤学園附属医療施設 リンパ浮腫研究所」所長・佐藤佳代子先生が、むくみ改善に効果的な「リンパドレナージ」を教えてくれました。リンパドレナージとは、手で優しく触れながらリンパを流すマッサージです。
実際に、プロゴルファーの東尾理子さんがマッサージを体験しました。まず最初にリンパの出口となる鎖骨からほぐしていきます。鎖骨まわりがほぐれていないと、リンパはうまく流れていかないので要注意。マッサージに入る前に必ず肩を前後に5回ずつ大きくまわして鎖骨をほぐしましょう。実は鎖骨をほぐすだけでも、下半身に変化が現れます。肩まわしを始めるとすぐに、東尾さんは「この(足の)内側がちょっとポカポカしてる」と効果を実感した様子でした。
しっかり鎖骨をほぐしたら、いよいよマッサージスタート。リンパ管は力を入れると傷ついてしまうので、触れるくらいのイメージで優しく行うのが大切です。マッサージは、リンパ管の多い太ももの内側からふくらはぎの順に行いましょう。部位ごとに3ブロックずつ分けながらマッサージしていくのがポイント。両手を1カ所につき円を描くように3回程度まわし、膝から足の付け根へ向けて軽く撫でてください。もう片方の足も同様にマッサージしたら完了です。
およそ10分間行っただけで、東尾さんは太ももとふくらはぎをそれぞれ1cm以上シェイプアップさせることに成功しました。リンパドレナージの成果に、「ウソでしょ?」「リンパパワーはすごい」と仰天した様子。
病気になりにくい体になるリンパの流し方
リンパがもたらすものは、美容効果だけではありません。リンパ学の権威として知られる大橋俊夫先生は、リンパが健康で若々しい体を保つための大事な働きをしていると解説。全身に張り巡らされたリンパ管の所々にある「リンパ節」には、免疫細胞「リンパ球」がたくさん貯蔵されています。リンパ球は体内に入った細菌やウイルスを食い止めるのが役割。つまり、リンパ球を全身に巡らせることが免疫力アップにつながります。
番組では免疫力促進に効果的な「リンパ呼吸」を紹介しました。まず仰向けに寝て、ヘソの辺りに両手を置きます。次にゆっくり腹式呼吸。7~8秒ほど息を吸ってお腹を膨らませたら、今度は10秒以上かけて口からゆっくり息を吐きましょう。同時にヘソの辺りを押すのがポイント。1日10分間を目安に毎日行っていけば、効果が実感できるはずです。さらにリンパ呼吸を行う約30分前にコップ1杯の水を飲むと、より効果的に。
リンパにとって何より大切なのは"継続"。まずは1日数分でもいいので、毎日続けることが美容と健康促進をもたらすカギになります。リンパを上手に流して、美容と健康を手に入れましょう。
文=藤江由美