水ぼうそうの原因「水痘・帯状疱疹ウイルス」の基礎知識

「ヘルペス」とは、ヘルペスウイルスによって引き起こされる感染症の一種です。今回は「水ぼうそう」として知られる水痘と帯状疱疹を引き起こすウイルスについて、横浜市立大学附属市民総合医療センター皮膚科准教授の蒲原毅先生にお聞きしました。

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「水痘・帯状疱疹ウイルス」は、その名の通り水痘と帯状疱疹を引き起こすウイルスです。「水痘」は「水ぼうそう」の名でも知られています。

このウイルスに初めて感染すると、水痘を発症します。
水痘は、全身に赤い発疹ができて水疱となり、強いかゆみをともなう病気です。

発病から3日目前後で発疹がピークを迎え、1週間ほどで症状が治まってきます。高熱を発することもあり、注意が必要です。非常に感染力の強いウイルスで、抵抗力の少ない子供のうちに罹患しやすいため、学校感染症にも指定されています。

「水痘は一生に一度しかかからないといわれていますが、感染から時間が経って抗体が消えると、再び感染する可能性があります。また、水痘が治癒しても水痘・帯状疱疹ウイルスは神経節の中に寄生しており、ストレスや疲労によって免疫力が低下すると活性化して『帯状疱疹』を発症させます」(蒲原先生)

帯状疱疹は体内のウイルスが活性化して起きる病気のため、他人からの感染で発病することはありません。

ただし、症状が現れている期間とその前後は、体液の中に水痘・帯状疱疹ウイルスが含まれているため、他人にウイルスをうつしてしまうと水痘を発病させるおそれがあります。水痘のときほど感染力は強くありませんが、体液や粘膜に直接触れることは避けましょう。

帯状疱疹の症状で特徴的なのは、ウイルスが神経を傷つけるために起こる「神経痛」です。

発疹が現れる数日前から、皮膚にぴりぴりとした違和感や痛がゆさを覚えることが多く、その後、赤みをともなう小さな水疱が広がっていきます。

重症度は免疫力に左右されるため、症状が軽いと思って無理をしてしまうと、重症化することもあります。

発症する部位もさまざまで、胴体部だけでなく、顔や性器周辺、全身に及ぶことも珍しくありません。初期は虫刺されやかぶれ、単純ヘルペスなど他の皮膚疾患と間違えやすいため、自己判断はせず、必ず医療機関を受診してください。

また、皮膚の症状が治まっても神経痛が残ってしまうこともあります。

ウイルスによって引き起こされた神経の炎症が重症化し、神経自体を強く損傷してしまったために引き起こされる痛みです。皮膚の症状が重症だった患者や、高齢者に多く見られ、改善には専門的な治療を必要とします。痛みが長期にわたって続く場合は、早めに医師の診断を受けましょう。

「水痘と同じく、帯状疱疹も一生に一度しかかからない病気といわれていますが、まれに再発する人もいます。特に、持病やその治療のために免疫機能が著しく低下している場合は、短期間に再発を繰り返す恐れもあります」(蒲原先生)

 

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取材・文/高橋星羽(デコ)

 

 

<教えてくれた人>

蒲原 毅(かんばら・たけし)先生

1995年横浜市立大学医学部卒業。同附属市民総合医療センター皮膚科部長、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医。帯状疱疹や皮膚病全般の診断と治療が専門。

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