時差ボケ状態に?専門医に「寝だめ」について聞いてみた/医療の常識・非常識

体によいとすすめられて、昔からやっていることが実は逆効果だったとしたら...? そんな「間違えがち」な医療の常識・非常識を専門医の皆さんに聞いてきました。今回は新生活の始まったこの時期、ついつい休日に行ってしまいがちな「寝だめ」について。日本大学医学部 精神医学系主任教授の内山真先生に効果的な方法を教えてもらいました。

時差ボケ状態に?専門医に「寝だめ」について聞いてみた/医療の常識・非常識 pixta_46588978_S.jpg前の記事「医師に聞いた「擦り傷には消毒液を塗った方がよい」ってホント?/医療の常識・非常識(2)」はこちら。

 
土日など忙しくない日に忙しい日の寝不足を補おうと長く眠る、いわゆる「寝だめ」をすると、睡眠サイクルが乱れて体調不良になることがあります。

例えば平日は朝7時に起きる人が土日に朝10時に起きると、体内時計は1時間近くも遅れてしまいます。

そのような人が、日曜の夜11時に寝ようとしても体内時計は夜10時の状態なのですぐには眠れないのです。そして月曜日の朝7時に起きても、体内時計が遅れているために、体はまだ6時の状態なので目が覚めにくく寝起きの気分がスッキリしないのです。これが月曜日に気分の落ち込みを感じる原因かも。

忙しくない日に寝だめをすると、まるで海外旅行に行って時差ボケになったような状態に陥るため、睡眠不足は解消するどころか悪化して、体調を崩す可能性も。良かれと思って実行していることが体の負担になっているという、なんとも皮肉な結果です。

忙しくない日に寝だめをするよりは、朝から外出する、遊びに出かけるなどして脳を休日モードに切り替えましょう。疲れすぎない程度に体を動かして、夜更かしせずに自然な眠気を感じたら床に就くようにしましょう。

●寝だめによる時差ボケのイメージ

時差ボケ状態に?専門医に「寝だめ」について聞いてみた/医療の常識・非常識 1904_p052_02.jpg

 

次の記事「医師に聞く「近視の人は老眼になりにくいってホント?」/医療の常識・非常識(4)」はこちら。

取材・文/宇山恵子 イラスト/中川原 透

 

 

<教えてくれた人>

内山 真(うちやま・まこと)先生

日本大学医学部 精神医学系主任教授。精神科医の視点を活かし、睡眠中の異常行動による睡眠障害の研究と治療の最前線を歩み続ける。近著に『眠りの新常識』(KADOKAWA)。

この記事は『毎日が発見』2019年4月号に掲載の情報です。

この記事に関連する「健康」のキーワード

PAGE TOP