「ひざ開き体操」「お尻浮かし体操」で坐骨神経痛を改善!/坐骨神経痛

坐骨神経痛とは、腰から足にかけて延びている坐骨神経が、さまざまな原因によって圧迫されたり、刺激されたりすることであらわれる、痛みやしびれなどの症状を指します。
坐骨神経痛の原因となる病気はいくつかあり、また、症状がよく似ていても坐骨神経痛ではない場合もあります。そこで、平和病院副院長で横浜脊椎脊髄病センター長の田村睦弘先生に症状の見極め方や治療方法、痛みを改善するセルフケアのやり方などを教えていただきました。

前の記事「腰椎椎間板ヘルニアの人は、腰反らし体操で改善も!/坐骨神経痛(19)」はこちら。

 

坐骨神経痛は、気持ちよく体を動かすのが改善への近道

坐骨神経痛は、背骨を支える筋肉を中心に、筋肉の緊張を緩め、筋力を強くすることで改善できます。今回は、坐骨神経痛の主な原因である腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアの人でも安心して行える体操をご紹介します。

体操する際に注意したいこと!
・体操は、やってみて気持ちがいいと思うものを。行った後で体がラクになったと感じるものを続けましょう。
・ストレッチは、「イタ気持ちいい」ところまで伸ばします。息をゆっくり吐きながら、10~20秒キープしましょう。
・筋トレをする場合は、1日おきに行います。筋トレによって傷ついた筋肉を修復する時間をつくることで、疲労がたまらず、筋トレの効果が高まります。
・「痛い」「その動作自体が無理」と感じる体操はやめましょう。
・「まぁ、これくらいでいいか」というぐらいが、ちょうどいい運動量です。やり過ぎないように注意しましょう。

 

●朝、布団の上で行う「ひざ開き体操」 


「ひざ開き体操」「お尻浮かし体操」で坐骨神経痛を改善!/坐骨神経痛 坐骨神経痛_イラスト5.jpg
左右1~2回ずつ行う
(1) 仰向けのまま、片側のひざを曲げます。
(2) 曲げたひざを同じ側の手で抱えて、外側にゆっくりと開きます。その状態のまま、20秒キープします。
◎ポイント
・ひざを抱えていない方の手のひらは、床につけます。
・ひざを開くときは、息を吐きながら行うとラクです。
・腰に負担を感じる人は、開く側の脚のわきにクッションを置き、脚をもたれかけるようにするとラクに行えます。

 

●太もも、お尻、背中、腹筋などの筋トレに「お尻浮かし体操」

「ひざ開き体操」「お尻浮かし体操」で坐骨神経痛を改善!/坐骨神経痛 坐骨神経痛_イラスト6.jpg

 

5~10回行う
(1) 仰向けになって両ひざを立てます。
(2) 息を吐きながら、お尻を浮かせ、背中を床から徐々に離していきます。
(3) 両手のひらで床を支えながら、お尻と背中を床から離す。最も離れたところで、お尻をキューッと締め、5秒キープします。

◎ポイント
・手のひらで床をしっかりと支えます。
・背中を反らせ過ぎないように注意します。

運動療法は効果が出るまでに少し時間がかかりますが、着実な治療法です。できる範囲で取り組んでみましょう。

 

次の記事「料理をするとき、掃除機をかけるとき。生活習慣を工夫すれば、坐骨神経痛の進行は防げる!/坐骨神経痛(21)」はこちら。

取材・文/笑(寳田真由美)

 

 

<教えてくれた人>

田村睦弘(たむら・むつひろ)先生

平和病院副院長・横浜脊椎脊脊髄病センター長、高月整形外科病院・脊椎センター長兼任。日本整形外科学会認定整形外科専門医。日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科指導医。『完全図解 坐骨神経痛のすべて 自分で治すプログラムつき』(主婦の友社)、『女性のつらい「坐骨神経痛」はこうして改善する!』(PHP研究所)など著書多数。

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