薬を飲まずに血圧を下げられる! 杜仲茶、ギャバ茶など降圧ドリンク4種

放っておくと脳出血や脳梗塞、狭心症に心筋梗塞など、さまざまな病気リスクが高まる高血圧。シニア世代に多い高血圧を解消すべく、治療の第一人者であるミスター血圧こと渡辺尚彦先生が経験から導き出した降圧法をご紹介します。

無理なく苦労なく、薬に頼らずに血圧を下げることができるのです!

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薬を飲まずに血圧を下げられる方法とは?

できれば高血圧の治療薬は飲みたくない...というのが、誰もが抱く本音だと思います。そこで渡辺先生に聞いてみたところ、「飲めば血圧を下げてくれる飲み物が、いくつかあるのです。喉の渇きを潤しながら血圧を下げられればうれしいですよね。私が紹介する飲み物は、全てしっかりとした実験を行い、血圧を下げる科学的な根拠があるものです。ぜひ参考にしてください」

早速、渡辺先生が推薦する四つの飲み物をご紹介しましょう。
まずは杜仲茶。古くから中国では健康長寿の薬としてもなじみがあり、うれしいことにカフェインが含まれていないので、お茶やコーヒーを飲むと眠れなくなる人や、眠りが浅い人でも大丈夫です。九州大学が行なった実験で、杜仲茶を飲むことで血圧が下がったという結果が出ています。

「杜仲茶に含まれるゲニポシド酸という物質が、交感神経の働きを抑えてくれます。そして血管の筋肉を緩めて拡張し、血圧を下げることにつながります。されに悪玉コレステロールが酸化するのを抑制し、血管を守ってくれることも明らかになっています」と渡辺先生。

■杜仲茶
1902p026_01.jpg「杜仲」は中国に自生する落葉樹。 不老長寿の薬として樹皮は医薬品、葉はお茶に古くから利用されてきました。最近では杜仲茶に含まれるゲニポシド酸という物質が血圧を下げる有効成分として注目され、医学的研究でも血圧降下のエビデンスが発表されています。

 

次に紹介するのは日本で開発された健康茶、ギャバ茶です。
「ギャバ茶のギャバはガンマ・アミノ楽酸という物質のことです。これは交感神経の働きを抑えて、血管を収縮させてしまうノルアドレナリンの分泌を抑制します。その結果、血圧が低下するのです。緑茶の風味を損なわないように加工する過程でガンマ・アミノ酪酸が増えていることが分かり、血圧を下げる緑茶として注目されています」

■最近注目されているギャバ茶とは?
ギャバ茶は正式には「ギャバロン茶」といい、静岡県にある農林水産省の野菜・茶業試験場(当時)で開発された日本製の健康茶です。緑茶の風味を損なわずに長期間保存するために、窒素ガスで嫌気処理をした後の茶葉の成分を分析すると、降圧効果のあるガンマ・アミノ酪酸(通称ギャバ)が大幅に増加していました。ドラッグストアや通信販売などで入手が可能です。

 

ぶどうジュースも血圧を下げる飲料です。動脈硬化を予防することで知られる赤ワインですが、渡辺先生は「それならば赤ワインの原料である赤ぶどうや赤ぶどうを使ったジュースだって、健康効果があるに違いない!」と思い立ったそうです。調べてみると、アメリカ・ミシガン大学のラットの研究で、ぶどうの粉末をエサに混ぜて食べさせたグループと食べさせないグループを比較したところ、ぶどうの粉末をエサに混ぜたグループの方が血圧が低下し、動脈硬化も抑制されていた、という研究結果が出ました。

渡辺先生も高血圧の患者さんに(1)果汁100%のぶどうジュース(200ml)、(2)果汁10%のぶどうジュース(200ml)、(3)果汁100%のオレンジジュース(200ml)、(4)焼きいもなど4種類の食品(いずれもカリウムを含み、血圧降下作用が期待できる食品)を摂取してもらったところ、(1)の果汁100%のぶどうジュースだけが血圧を低下させる働きを示しました。

「ぶどうの皮に含まれるポリフェノールが血管の内壁に働いて、血管を拡張し、血圧を下げてくれるようです。ただしぶどうジュースは糖分が含まれてカロリーが高いものが多いので、飲み過ぎには注意してください」と渡辺先生。

■果汁100%のぶどうジュース
1902p027_01.jpgぶどうに含まれるポリフェノールが血管の内壁 に働いて、血管を拡張させる働きがある NO(一酸化窒素)の産生を促します。その結果として血圧を低下させます。実際に高血圧の患者さんで実験したところ、血圧を低下させたのは果汁100%のぶどうジュースのみでした。

 

もう一つ、渡辺先生がすすめてくれたのは甘酒。「飲む点滴」などと呼ばれ、健康飲料として人気ですが、甘酒に含まれるペプチドという成分が血圧を下げる働きを持つのです。甘酒は糖分やアルコールを含んでいるので、飲み過ぎないように注意して、1日100ml、小さなコップに1杯程度にしておきましょう。

■甘酒
1902p026_02.jpg甘酒にはペプチドという成分が含まれますが。それにはアンジオテンシンⅡという血圧をあげるホルモンの生成を抑える働きがあります。これが血管を拡張させて血圧を下げてくれるのです。ただし甘酒には糖分、アルコールが含まれるものが多いため飲み過ぎないように。

 

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取材・文/宇山恵子 撮影/米山典子

 

 

<教えてくれた人>

渡辺尚彦(わたなベ・よしひこ)先生

聖光ヶ丘病院顧問、愛知医科大学病院客員教授、早稲田大学客員教授、日本歯科大学病院臨床教授。実父を高血圧で亡くしたことがきっかけで高血圧の治療・研究を志し、「ミスター血圧」の異名を持つ高血圧治療の名医となる。

この記事は『毎日が発見』2019年2月号に掲載の情報です。

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