ラベンダーの香りやお風呂。精神的・肉体的ストレスを減らして血圧を下げる方法

放っておくと脳出血や脳梗塞、狭心症に心筋梗塞など、さまざまな病気リスクが高まる高血圧。シニア世代に多い高血圧を解消すべく、治療の第一人者であるミスター血圧こと渡辺尚彦先生が経験から導き出した降圧法をご紹介します。

無理なく苦労なく、薬に頼らずに血圧を下げることができるのです!

pixta_47510792_S.jpg前の記事「薬を飲まずに血圧を下げられる! 杜仲茶、ギャバ茶など降圧ドリンク4種(4)」はこちら。

 

血圧と心の動きは密接に関わっている

血圧に大きな影響を与えるのは、心と体の動きだと渡辺先生は断言します。これは30年以上も24時間血圧計を付けて、自分の心の動きと血圧の変化を分析してきた成果でしょう。

「ストレスは血圧を上げます。激しく体を動かせば血圧は上がります。これは常識ですね。でも激しい感情の動きも血圧を急上昇させるのです。しかも悲しいこと、つらいことだけでなく、うれしいこと、楽しいことでも同じです。大好きな歌手のコンサートに行ってノリノリになれば確実に血圧は急上昇します」

人前に出て緊張したり、誰かに怒りを覚えたりというネガティブな心の動きだけでなく、友人とおしゃべりが弾んだ......などというときにも、血圧は上がっていることを覚えておきましょう。

■メンタルストレス(精神的なストレス)
血圧を上げる強敵は ストレス
怒り、不安、イライラ、不眠、感情の波は血圧を上げる
自律訓練法で血圧を下げる
アロマで上手に気持ち良く血圧をコントロール

■フィジカルストレス(肉体的なストレス)
激しい運動や急に体を動かす
サウナ、冷水など急激な温度変化
冷たい飲みものを一気に飲む

 

「でも安心してください。一時的に上昇したり下降したりする血圧は、健康な人であればすぐに元の正常な血圧に戻ります。しかし高血圧の状態が続くと、一度上がった血圧が下がりにくくなってしまい、徐々にそれがエスカレートして高いままの血圧が続いてしまうという悪循環が起きるのです。要するに、血圧が高くなっていることを見逃さずに。高めになってしまったら、早めに正常な血圧に戻るように食事や生活習慣を見直すことです」と渡辺先生。

血圧と心の動きが密接に関わっているのは、どちらも自律神経に関係しているからです。怒り、喜び、驚き、悲しみなどを感じると、交感神経が優位になって心臓がドキドキしたり、血管が収縮して手足が冷たくなったり、血圧が上がったりします。逆にリラックス状態になると、副交感神経が優位になり、心臓の鼓動がゆっくりになり、血管が拡張して手足が温かくなり、血圧も下がります。

「匂いは、脳の情動をつかさどる部分に直接働きかけています。アロマは、さまざまな香りによりリラックス神経である副交感神経を優位にして精神を安定させて、高血圧の改善に役立ちます」

 

 

<ハーブの有効活用>

●ラベンダーは効果あり!
1902p029_01.jpg快眠効果やリラックス効果の高いハーブの代表格として古くから愛されてきたラベンダー は血圧降下作用があるといわれています。ラベンダーの香りが副交感神経を優位にして、 脳をリラックス状態に導いてくれます。

 

ローズマリーは避ける
1902p029_02.jpgローズマリーに含まれるカンファーという成分は弱った心臓を刺激して元気にさせる強心剤として使われていました。つまりローズマリーには血圧を上げて血行を促進し、体を活性化する働きがあります。血圧を下げたい、気持ちを落ち着かせたいときには使用を避けてください

 

もう一つ、自律神経を整えるために渡辺先生が実践している方法をご紹介しましょう。

(1)いすに座り両手をひざの上にのせて目を閉じて気持ちを落ち着かせる
(2)心の中で「気持ちはとても落ち着いています」と繰り返し唱える
(3)意識を右手に集中させて、心の中で「右手が温か~い、ポカポカしている」と唱える
(4)左手も同じように心の中で「温か~い」と唱えます。

これを朝昼晩3回行うことで、自律神経を整えることができるようになります。ある患者さんは、3ヵ月ほどで正常値まで血圧を下げることに成功したそうです。心と自律神経のコントロールで血圧を下げる方法、ぜひやってみましょう!

 
<お風呂の有効活用>

1902p028_01.jpg一日の疲れやストレス、イライラや不安をリセットするのにいちばん簡単な方法は、ぬる めのお風呂に胸ぐらいまで 20 分程度つかり、 ゆっくりと温まることです。バスタブに数滴のラベンダーオイルを垂らしてゆっくり深呼吸しながら香りを楽しんだり、好きな音楽を聴いたりするとさらにリラックスできます。

 

次の記事「高血圧患者の約半数はふくらはぎが硬い! ふくらはぎのセルフ指圧で、血圧を下げよう(6)」はこちら。

取材・文/宇山恵子 撮影/米山典子

 

 

<教えてくれた人>

渡辺尚彦(わたなベ・よしひこ)先生

聖光ヶ丘病院顧問、愛知医科大学病院客員教授、早稲田大学客員教授、日本歯科大学病院臨床教授。実父を高血圧で亡くしたことがきっかけで高血圧の治療・研究を志し、「ミスター血圧」の異名を持つ高血圧治療の名医となる。

この記事は『毎日が発見』2019年2月号に掲載の情報です。
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