口の健康は全身の健康につながっている!? 正しい生活習慣と口腔ケアで口から健康を/口内炎

口内炎とは、口内の粘膜にできる炎症の総称です。頬や唇の内側、舌、上あごなど口内のあらゆる粘膜に炎症を起こす可能性があり、食事をすることがつらくなったり、人と会話をすることがおっくうになったりするなど、痛みや不快感でQOL(生活の質)を低下させます。口内炎といっても原因はさまざま。それぞれ治療方法が違うので、原因に合った治療をすることが大切になります。

さまざまな口内炎の原因、症状、治療法、予防法などを、鶴見大学歯学部附属病院口腔機能診療科准教授の中川洋一先生にお聞きしました。

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口内炎の予防、再発防止のために心がけるべき生活習慣とは?

頬や唇の内側、舌、喉などの粘膜に炎症を起こす口内炎は、痛みで食事をすることが辛くなったり、人と会話をすることがおっくうになったりするなど、QOL(生活の質)を低下させます。口内炎の多くは疲労やストレスの蓄積、食生活の乱れや睡眠不足などによって免疫力が低下しているときにできるとされています。口内炎の予防、改善のためにどういったことをすればいいのでしょうか?

「疲労やストレスをためないことのほかに、義歯や矯正器具に不具合があれば、口内を傷つけないように調整をします。また、唾液の働きには口の中のウイルスや細菌の増殖を抑える抗菌作用などがあるので、口内の潤いを保つこと。そして口内を清潔に保つことが大切です」(中川先生)

 

<口内炎の予防、再発防止のために心がけたい生活習慣>

■睡眠を十分にとり、疲労をためない

■気分転換の方法を取り入れ、ストレスをためない

■義歯や矯正器具の不具合を調整して口内を傷つけない

■口内を清潔に保つ
・こまめに歯磨きする
・義歯や矯正器具を毎日洗浄する
・マウスウォッシュなどでこまめにうがいをする

■口内の潤いを保つ
・保湿ジェル、保湿スプレー、マウスピースなどを使用する
・噛む回数を増やして唾液腺を刺激して、唾液分泌を促す
・口呼吸しがちな人は口を閉じて鼻呼吸をするように心がける
・加湿器などを使って部屋の湿度を保つ
・口呼吸しがちな人は「夜間口呼吸防止テープ」などで、睡眠中の口呼吸で唾液が蒸発するのを防ぐ

■食生活を見直す
・栄養バランスの良い食生活を心がける
・口内炎の予防や改善に効果があるビタミンB群(牛乳、チーズ、卵、レバー、大豆製品など)のほか、上皮の細胞を強くするといわれるビタミンA群(人参・かぼちゃなどの緑黄色野菜、うなぎ、レバーなど)、ウイルスや菌に対する免疫力を向上させるビタミンC群(柑橘類、いちご、ブロッコリー、ピーマンなど)を積極的に摂る

 

唾液の分泌量は成人では一日に1~1.5リットルにもなりますが、加齢とともに唾液の分泌量が減るとドライマウスになり、口内炎などが引き起こされます。特にドライマウスの場合、口の中の常在菌であるカンジダが増殖して、粘膜に炎症が起こる口腔カンジダ症になることもあるのです。

「口の健康は全身の健康につながっています。生きる源はすべて口から。口内炎を普段の生活習慣を見直す良い機会と捉え、口腔ケアの重要性を理解したうえで、ここに挙げたことを普段から実践してほしいものです」(中川先生)

 

取材・文/古谷玲子(デコ)

 

 

<教えてくれた人>

中川洋一(なかがわ・よういち)先生

鶴見大学歯学部附属病院口腔機能診療科准教授。1980年鶴見大学歯学部卒業。2002年同大学附属病院専門外来(現・口腔機能診療科)。日本口腔外科学会認定口腔外科専門医・指導医。著書に『チェアサイド・介護で役立つ口腔粘膜疾患アトラス』(クインテッセンス出版)などがある。

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