感染阻止率99.96%! 紅茶を飲んでインフルエンザウイルス対策

今季のインフルエンザの流行がピークを迎えています。東京都では、1月第2週(1/7~13日)でインフルエンザ患者報告数が急速に増え、「流行警報基準」を超えました。

一方で、昨年末の予防接種期間に、ワクチン不足で接種できなかった人も多いといわれています。自分でできる有効な感染予防法には、(1)人混みや繁華街への外出を控える (2)外出後は手洗いとうがいをする (3)栄養バランスのとれた食事と充分な睡眠をとる (4)適度な温度・湿度を保つこと、などが挙げられます。

しかし、それ以外にもウイルス対策があるのです! それはなんと、"紅茶"を飲むこと。今回は、紅茶によるインフルエンザウイルス対策をご紹介しましょう。

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紅茶ポリフェノールがインフルエンザウイルスを撃退

紅茶のインフルエンザ予防効果については研究者などからすでに発表されており、紅茶に含まれる「紅茶ポリフェノール」が、インフルエンザウイルスの感染力を奪うことが判明しています。

ポリフェノールといえば、赤ワインやチョコレート、緑茶などに多く入っているので有名ですよね。植物にある苦味や色素の成分で、抗酸化作用が強く、有害な活性酸素などを無害な物質に変える働きをします。

このたび、インフルエンザウイルス対策に関する新たな研究結果が公表されました。研究を行ったのは、「日東紅茶」でおなじみの三井農林株式会社。その研究結果によると、紅茶のインフルエンザウイルス感染阻止率は99.96%もあることがわかったのです。インフルエンザウイルス対策の飲み物で有名なのは、緑茶やココア、ショウガ湯などですが、緑茶は97.6%、ココアは91.5%、ショウガ湯は77.1%という結果から、紅茶がより効果的であることがわかります。

感染阻止率99.96%! 紅茶を飲んでインフルエンザウイルス対策 紅茶の感染阻止率グラフ.pngインフルエンザA/California/07/09(H1N1)pdm09標準株のウイルス液(106PFU/0.1ml)を試料液と混和し、一定時間反応させた後、プラック法によりウイルス感染価を測定しました(反応時間:紅茶30秒間、他の試料10分間)。感染阻止率(%)={1-(試料の感染価/コントロール(ペプトン20mg/ml PBS緩衝液)の感染価)}×100としました。インフルエンザウイルスに対する感染阻止効果の判定基準は、抗ウイルス加工繊維製品を対象とした抗ウイルス試験方法(ISO 18184)に準じ、コントロールに対して各試料のウイルス量が1/1000以下(感染阻止率が99.9%以上の場合「十分効果あり」とし、1/100~1/1000(感染阻止率が99.0~99.9%)の場合「効果あり」と判定しました。(三井農林調べ)

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わずか15秒でインフルエンザウイルスを無力化する紅茶パワー

インフルエンザウイルスの表面は、「スパイク」と呼ばれる突起状のたんぱく質で覆われています。このスパイクによって鼻やのどなどの呼吸器粘膜の細胞にウイルスが吸着し、インフルエンザに感染するのです。

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紅茶ポリフェノールはスパイクに付着し、インフルエンザウイルスが呼吸器粘膜に吸着する力を奪ってくれます。その結果、インフルエンザウイルスが無力化して感染力を奪います。

感染阻止率99.96%! 紅茶を飲んでインフルエンザウイルス対策 図1.pngまた同研究では、ポリフェノールを多く含む飲み物が、インフルエンザウイルスを無力化する時間も調査しました。実験では、紅茶・緑茶・調整ココア・コーヒーを取り上げて比較。その結果、緑茶・調整ココア・コーヒーは1000秒前後かかりましたが、紅茶はなんとわずか15秒ほどでインフルエンザウイルスを無力化し、感染の阻止能力が極めて高いことがわかったのです。

感染阻止率99.96%! 紅茶を飲んでインフルエンザウイルス対策 15秒でインフルウイルスを無力化グラフ.pngインフルエンザA/Chiba/2/09(H1N1)ウイルス液(106PFU/0.1ml)を試料液と混和し、一定時間反応させた後、プラック法によりウイルス感染価を測定しました。感染阻止率(%)={1-(試料の感染価/コントロール(ペプトン20mg/mlPBS緩衝液)の感染価)}×100としました。各試料の濃度は、一般的な粉末清涼飲用の飲用時濃度に調整しました。(三井農林調べ)

 
インフルエンザ予防に効く医師おすすめの紅茶の飲み方

ここで、紅茶でのインフルエンザ予防方法を具体的にご紹介しましょう。教えてくれたのは、イシハラクリニック(東京都江東区)の副院長を務める石原新菜先生。先生自身、12年間毎日紅茶を飲み続けており、その効果を実証しています。

基本的には、日々普通に紅茶を飲むだけでOK! 石原先生がおすすめする以下の方法で飲めば、より効果的です。

●温かくして飲む
紅茶は冷たくして飲むより、温めた状態の方がインフルエンザウイルスの無力化が高まります。

●こまめに飲む
前述のとおり、インフルエンザウイルスは鼻やのどなどの呼吸器粘膜から感染します。紅茶を飲むと、紅茶ポリフェノールが口腔内のウイルスを無力化。そのため、少しずつでもこまめに飲み、口の中で紅茶ポリフェノールの効果を持続させるのがポイントです。

●ストレートティーで飲むのがベスト
感染予防効果が最も高いのはストレートティー。レモンや砂糖を入れても、効果はあります。ただし、ミルクはNG。紅茶ポリフェノールがミルクタンパクに取り込まれ、効果が機能しません。

●カフェインレスの紅茶でも効果は変わりなし
カフェインが気になる人は、カフェインレスの紅茶でも大丈夫。インフルエンザを無力化する効果は変わらないことが確認されています。

●"紅茶うがい"も効果あり!
ティーバッグでいれる紅茶は、2杯目3杯目だと薄くなりますが、実は効果は残っています。紅茶ポリフェノールは、通常飲む濃度の 10分の1に薄めても十分効果があるとのこと。捨てる前のティーバッグを利用して、"紅茶うがい"をするのもおすすすめですよ。

 

いかがでしたか?紅茶をおいしく飲みながら、同時にインフルエンザウイルス対策ができるなんてうれしいですよね。ぜひ今日から、ティータイムは紅茶で過ごしてみては?

文/白神雅子

 

 

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