野菜ジュースでもいい? ご飯やパンを食べなければOK? 糖尿病対策の4つのウソ/糖尿病

現在、日本国内の患者数は1千万人を超えるとされる「糖尿病」。これはもはや現代の国民病と言えるかもしれません。もしも自分が、家族が糖尿病になったら、予備軍だったら、生活習慣をどのように変えていけば良いのでしょうか。
一生続けられる「血糖値を上げない習慣」について、京都大学医学部附属病院病院長で糖尿病・内分泌・栄養内科教授の稲垣暢也先生にお話を伺いました。

前の記事「朝食食べた?体重測った? まずは自分の生活習慣を知って糖尿病を遠ざけよう!/糖尿病(9)」はこちら。

 

■糖尿病対策のウソ1 野菜ジュースだけ飲んでいます

野菜ジュースだけ飲んでいれば大丈夫 → ×
ジュースはあくまでも栄養の補助として → ○

●野菜ジュースの多くは水溶性の食物繊維。不溶性食物繊維も必要。咀嚼による満腹中枢の刺激も重要。1810p032_01.jpg
野菜をよくかんで食べれば満腹中枢を刺激し、野菜ジュースよりもゆっくりと胃や腸の中を移動するので血糖値の上昇が緩やかになり、食べ過ぎ予防にもなります。
ジュースには善玉菌のエサになる「水溶性食物繊維」は多いですが、腸の働きを促し腸の掃除をしてくれる「不溶性食物繊維」は十分に含まれていません。野菜ジュースには味の調整に砂糖や塩が入っていたり。果物が多くて血糖値や血圧を上昇させてしまうことがあるので注意しましょう。

 

■糖尿病対策のウソ2 1日1食でカロリー制限

1日1食にして摂取カロリーを制限しています → ×
決まった時間にしっかり3食を取る → ○

●血糖値の推移が不安定になりやすく食後高血糖になることも
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例えば1日1食にしていると、体は「1日1回しか栄養が届かないから節約して生きよう!」と勘違いして基礎代謝が落ち、太りやすい体質になります。また1日に必要な栄養素を摂れずに、栄養バランスが崩れます。さらに空腹の時間が長くなると、食後の血糖値が急激に上がりやすくなります。これは食事をきっかけにインスリンを分泌するすい臓が怠けて、いざ食事をしても反応が鈍くなり、インスリンの分泌が遅れるからです。1日3色を規則正く取ることで、すい臓に怠けグセをつけないようにしましょう。

 
■糖尿病対策のウソ3 ご飯もパンも食べない!糖質を摂らない生活

ご飯やパンは食べない → ×
毎食の主食・糖質の量を一定に → ○

●糖質を制限すると、一時的に血糖値は下がるが極端な制限の効果は疑問
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糖質を摂らない生活を一生続けるのは難しいものです。栄養のバランスも悪くなります。極端に糖質制限をすると、脳や赤血球のエネルギー源が足りなくなってしまいます。ご飯やパンやうどんが悪者なのではなく、ついおいしくて食べ過ぎてしまうことが悪い習慣なのです。重要なのは食べ過ぎないこと。ご飯なら1食につき茶わんに軽く1杯の150gが目安です。いも類も糖質と考えて、いもを食べたときはご飯やパンを減らします。これを体感で覚えて、食べ過ぎないようにすれば、続かない我慢をして体調を崩すことはありません。

 

■糖尿病対策のウソ4 運動の代わりにサウナ!

運動の代わりにサウナで体重を落とす → ×
少しでもよいから自分で体を動かして → ○

●サウナだと水分は抜けるが、脂肪分は落ちない。また急激な温度変化は血管にも悪影響
1810p033_02.jpg運動しようと思って入会したスポーツクラブなのにサウナにこもりっきり...という人はいませんか? サウナは汗をたくさんかいて、体の老廃物や毒素が出てデトックス効果抜群! と思いきや、汗と一緒に体に必要な水分、塩分、ミネラルまで排出されて、脱水症状になってしまうことも。さらに水風呂と熱いサウナを行き来すると心臓や血管に負担をかけてしまいます。

汗をかいても体についた脂肪は燃えません。脂肪を燃やすには体を動かすことです。よく歩く、小走りする、犬の散歩を欠かさないなど、特別なスポーツでなくても、お金をかけなくても、体を動かせば脂肪は燃えてなくなります! さらに筋肉の量が増えると脂肪が燃えやすい体質になります。

 

取材・文/宇山恵子 イラスト/風間勇人

 

<教えてくれた人>
稲垣暢也(いながき・のぶや)先生

京都大学医学部附属病院病院長、糖尿病・内分泌・栄養内科教授。一生続けられる生活習慣を指導しながら糖尿病患者さんと向き合いつつ、先進的研究も行う。

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この記事は『毎日が発見』2018年10月号に掲載の情報です。
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