現在、日本国内の患者数は1千万人を超えるとされる「糖尿病」。これはもはや現代の国民病と言えるかもしれません。もしも自分が、家族が糖尿病になったら、予備軍だったら、生活習慣をどのように変えていけば良いのでしょうか。
一生続けられる「血糖値を上げない習慣」について、京都大学医学部附属病院病院長で糖尿病・内分泌・栄養内科教授の稲垣暢也先生にお話を伺いました。
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血糖値の上昇を抑えるには「毎日大さじ1杯の酢」!
食事に酢を取り入れて血糖値の上昇を抑えよう
酢は健康に良いといわれ、酢の成分である酢酸には血糖値の上昇を抑える働きがあります。ブドウ糖の代謝能力がやや落ちた人の、酢酸を食事に摂った場合と摂らない場合の食後のインスリン濃度を測定すると、酢酸を摂ったときの方が血糖値の上昇が抑えられました。
さらにうれしいのは、糖尿病や血糖値が高めの人に注意が必要な高血圧の予防・改善にも酢が活躍するそうなのです。というのも酢の主成分である酢酸が、血圧を上昇させるホルモンの働きを抑制してくれるからです。しかし酢を摂るのをやめてしまうと高血圧予防の効果がなくなってしまいます。酢の酸味は、塩の代わりをしてくれるので、高血圧予防に役立ちます。塩、しょうゆやみそを使った料理の隠し味に酢を入れると、塩味を強く感じつようになり、減塩になります。
「毎日大さじ1杯、15mlほどの酢を料理に使ったり、水や炭酸水で割って飲むだけでよいでしょう。これなら続けられますね」
酢は酸っぱくて苦手...と言う場合は、加熱して酸味を飛ばすを使いやすくなります。もちろん酢の健康効果は加熱しても失われません。酢をドリンクに使うときは砂糖を入れすぎないようにご注意を。
■チェックポイント
★酢酸の摂取は血糖値の上昇を押せられる
★高血圧の予防にも
●工夫1
焼き魚に添えた大根おろしに酢をかける
●工夫2
餃子や春巻きに酢をかける → しょうゆを減らすことが可能
●工夫3
大さじ1+炭酸水で酢ドリンク
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取材・文/宇山恵子