多くの女性が経験したことがある「手や指が痛い」「しびれる」といったトラブル。たかが手や指のことだからと放置すると、指が変形する、手術が必要になるなど、将来、手指の病気を発症することが心配されます。手指の病気について、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科整形外科学助教の藤田浩二先生にお伺いしました。
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明け方や夜間に痛みが増す手を振ると痛みが和らぐは、病気のサイン
手指の痛み、しびれの3大トラブルは、「手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)」「ばね指(指の腱鞘炎)」「ドケルバン病(手首の腱鞘炎)」です。各病気の症状や原因、治療法、セルフチェック方法を2回にわたってご紹介します。自分が該当する症状があったら、手の専門医に相談しましょう。
手の専門医は、日本手外科学会のホームページで探すことができます。
●手根管症候群
【症状】
人さし指、中指を中心に、しびれや痛みが出ます。しびれは親指や薬指にまで及ぶことも。症状は明け方や夜間に痛みが増すことが多く、手を振ると痛みが和らぎます。
【原因】
多くの場合は不明ですが、圧倒的に女性に多く発症します。特に、閉経前後の女性や手首を骨折したことがある人、手を多く使う人に生じやすく、透析療法も原因になると見られます。
【治療】
基本は、安静にすることと薬です。軽症の場合は、ステロイド剤+局所麻酔薬の混合液を1回~数回手首に注射したり、末梢神経を保護・再生するビタミン剤の内服で症状が治まります。場合によっては、装具で手首を固定します。重症化した場合は、手術が必要となります。
■自分でチェック!
両手の手首を写真のように曲げます。
⇒1分以内にしびれがひどくなったら病気の可能性があります。
親指と人さし指を合わせて左のように輪を作ります。
⇒できなかったら、病気の可能性があります。
手指の痛みやしびれを和らげるには、指のストレッチがおすすめです。反対側の手を使って、指を手の甲へ向けて反らします。指1本当たり30秒を目安に、気持ちよく伸ばしましょう。
痛みがある人、痛みが出てしまう人は悪化することがあるので行ってはいけません。
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取材・文/笑(寳田真由美)