手や指に、痛みや腫れなどの違和感を覚えた経験はありませんか?
「手や指の病気の多くは、腱や靭帯、関節などが変形する変性疾患と呼ばれるものです。患者の8割は女性で、年齢的には50代がピークになります。しかし、手や指の違和感は放置しやすく、60歳前後になって関節が変形したり、痛みが増したりして病院を訪れる方が多いのです」とは、四谷メディカルキューブ手の外科・マイクロサージャリーセンター長の平瀬雄一先生。あなたの手指の痛みや腫れについて、さっそくチェックしていきましょう。
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閉経前後の手指の痛み、腫れの放置は関節の変形につながる!
女性ホルモンの減少が、更年期症状を起こします。「手指の悩みで来院する方の大半は、更年期症状がなかった、軽かったと言うのですが、手指の違和感もその一つです」(平瀬先生)。
閉経前後に発症した手指の違和感を、更年期症状と気付かずに放置すると、7〜10年後には関節が変形し、後戻りができない状態になります。更年期症状の緩和には、女性ホルモンの補充療法がありますが、一方で乳がんや子宮がんのリスクが増します。
前の記事:「女性ホルモンが急激に低下する人ほど、手指の不調が起こりやすい!/手指の痛み改善法(5)」はこちら。
手指の痛み、腫れを感じたら「エクオール」の摂取がおすすめ
おすすめは、女性ホルモンのエストロゲンによく似た働きをする「エクオール」の摂取です。大豆製品の摂取でエクオールを体内でつくれる体質の人もいますが、日本人の場合、およそ半数。つくれない人は、サプリメントで摂るのも一策です。
自分の体質を意識することで、手指の病気は防げます。「使い過ぎたら冷やして休ませる」、「女性ホルモンの急激な低下を防ぐ」など、日ごろの対策で、手指の健康を維持しましょう。
【閉経前後の手指の痛みやしびれを放置すると...】
(↓)指が横に曲がった状態でかたまる、指がまっすぐ伸ばせないなど、指の変形が起こります。
(↓)指を伸ばそうとすると痛んでカクンとはねる、特定の手指がしびれるなど、手指のしびれや痛みが悪化します。
(↓)関節がこわばる、腫れる、スムーズに曲げ伸ばしができないなど、手指が動かしにくくなります。
【手指の痛みやしびれをさらに放置すると...】
薬物療法や手術などによる治療が必要になります。
次の記事:「手指の痛みやしびれは食品で予防できる!? 手指のトラブル予防Q&A/手指の痛み改善法(7)」はこちら。
平瀬雄一(ひらせ・ゆういち)先生
四谷メディカルキューブ手の外科・マイクロサージャリーセンター長。東京慈恵会医科大学卒業。埼玉手の外科研究所形成外科部長などを経て、2010年より現職。