外陰部の気になるかゆみ、放置すると不妊や肝炎の原因にも/外陰部のトラブル

pixta_38360184_S.jpgかゆみや痛み、腫れなど、外陰部(女性性器)のトラブルは、放置すると重大な病気につながることがあります。その反面、清潔を保ったり、日常生活を見直したりすることで、十分に予防できる病気や症状も少なくありません。まずは、外陰部についての正しい知識を身につけ、トラブルが起きているのかどうか判断できることが大切です。

自分の体を守るために知っておきたい外陰部の病気への対応や予防法を、セントソフィアクリニック婦人科院長の伊藤 知華子先生にお伺いしました。

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治療後も後遺症が残る病気も。早期発見と根治が重要です

病院に行くのが恥ずかしいからと、外陰部のかゆみや痛みなどを放置し続けると、治療が困難になったり、後遺症が残ったりすることがあります。特に気をつけたい病気について、どんな後遺症やトラブルが起こりやすいか知っておきましょう。

●カンジダ膣炎
膣の中にいる常在菌の一種であるカンジダ菌が、何らかの理由で異常に増えることで起こる病気。女性の5人に1人が発症するとされており、薬剤によって完治します。ですが、免疫機能が低下したときなど再発を繰り返すことが多く、出産時に発症していると産道で子供に感染し、赤ちゃんの口の中がカビで白くなる鵞口瘡(がこうそう)を発症して哺乳障害になることもあります。


●性感染症
【梅毒】
早期に治療をすれば完治しますが、進行すると脳の神経まで侵されることがあります。感染力が大変強く、採血検査をしないかぎり発症の有無は分かりません。痛みがなくてもいぼのようなできものがある場合は、すみやかに婦人科を受診しましょう。

【淋病】
尿道感染すると、尿道炎や膀胱炎になり、排尿時に痛みを感じます。進行すると、激しい下腹部痛や発熱が起こり、不妊の原因にもなります。

【クラミジア感染症】
ほぼ無症状のまま進行し、子宮や卵巣、骨盤内にまで感染症を起こし、不妊の原因にもなります。上腹部まで達すると肝臓周囲炎を引き起こすこともあります 。流産や早産 の原因にもなるため、妊娠中にクラミジア検査を行うことが一般的です。

【性器ヘルペス感染症 】
外陰部に痛みを伴う口内炎の様な水疱や潰瘍ができたときは性器ヘルペスの疑いがあります。一度感染すると脊髄神経節にウイルスが潜み、ストレスや風邪などで免疫力が低下したときに再発することがあります。出産する時点で外陰に病変があるときは赤ちゃんに感染する恐れがあります。赤ちゃんが感染すると、ヘルペス脳炎(※)を引き起こすことがあります。

※ヘルペス脳炎は、単純ヘルペスウイルスによって引き起こされる脳炎。典型的な兆候は水疱性の発疹で、全身に進行する場合もあります。

【尖圭(せんけい)コンジローマ 】
外陰部に出来るウイルス性のイボで多発するとカリフラワーのよう様になることもあります。一度発症すると、抵抗力が落ちたときに再発しやすい病気です。出産時に発症すると、産道で新生児に感染し、のどにできものができて外科手術が必要となります。

「カンジダ膣炎や性感染症は、再発を繰り返しやすく、早産や不妊だけでなく体のさまざまなところに後遺症が出る可能性があります。それだけに、自己判断で放置することは症状を悪化させ、治療を困難にさせてしまいます。外陰部に少しでも変調を感じたら、婦人科を受診して相談してください」(伊藤先生)

 

次の記事「細菌性膣炎、性感染症、萎縮性膣炎...外陰部の病気を知りましょう/外陰部のトラブル(4)」はこちら。

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<教えてくれた人>
伊藤 知華子(いとう・ちかこ)先生
セントソフィアクリニック婦人科院長、医学博士。名古屋第二赤十字病院産婦人科、成田病院勤務を経て、1997年米国サウスカロライナ医科大学生殖遺伝学教室留学、1999年成田病院帰任、2008年より現職。専門は婦人科。生殖医療専門医。

 

取材・文/寳田真由美

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