厚生労働省の「受療行動調査」(2011年)によると、セカンドオピニオンを必要と考えながら受けていない患者は外来で63.9%、入院で61.8%。一方で、受けたことがある患者で「良かった」と回答した人は、外来で79.3%、入院で82%に達しています。今年4月には、病院へ行かずにセカンドオピニオンを受けられるインターネットサービスも始まっています。
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「セカンドオピニオンとは、現在かかっている医師(主治医)以外の医師に求める第2の意見。ですから、必ず結果を主治医に持ち帰り、最善と思える治療法を主治医と相談して決定します」と、岩本ゆりさん。
複数の医師の意見を聞き、より納得のいく治療を選択
では、セカンドオピニオンを受ける際、何に気を付けるべきでしょう?まずはセカンドオピニオンで「何を聞きたいのか」を整理しておくこと。
「現在、がんに対しては、各地のがん診療連携拠点病院に相談室を設けるなど、セカンドオピニオンへの支援が活発です。一方、狭心症のような慢性疾患でセカンドオピニオンを利用できるのは、大きな決断が必要なとき。例えば、手術をするのか、最新の治療を選ぶのかなどです。そういった決断をするために、聞きたいことはまとめておきます」(岩本さん)。
次に、提案される治療のメリットとデメリットを正確に確認すること。
「デメリットのない治療はありません。副作用はどの程度想定されるのかなど、デメリットについて、より具体的に聞いてみましょう」(岩本さん)。
また、親など親族にセカンドオピニオンを受けさせたい人も多いと思います。そういった場合は患者本人にまかせきりにせず、患者以外の親族が治療について、主治医から詳しく話を聞いておきましょう。最近は、多くの医療機関でセカンドオピニオン外来(※)を設けています。複数の医師の意見を聞くことができるセカンドオピニオンを有効活用して、納得のいく治療を選びましょう。
※セカンドオピニオン外来の受診は実費が基本。受診費は、1~3万円程度が一般的です。受診の際は、紹介状などを持参します。
●セカンドオピニオンの手順
主治医の診断と治療方針を聞く
↓ いまの治療で良いか、別の治療法がないのかを確認する
「セカンドオピニオンを受けたい」という希望を主治医に伝える
↓ 治療法を患者自身も勉強する
↓ セカンドオピニオン先を決める
紹介状および診断情報をもらう
↓ 診断情報とは、病理検査、内視鏡検査、画像診断を含む
希望する病院にセカンドオピニオンを申し込み、セカンドオピニオンを受ける
↓
結果を主治医に報告して、今後の治療方針を相談する
↓ 納得いく治療方針が見つかった ↓ 相談しても治療方針に納得がいかない
治療方針に合った病院を選び治療する さらに別の医師の意見を聞く
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<教えてくれた人>
岩本ゆり(いわもと・ゆり)さん
NPO法人楽患ねっと副理事長、医療コーディネーター、看護師、助産師。
取材・文/笑(寳田真由美)