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健康であるためにはどうしたらいいのか? セルフメディケーションの時代と言われる今、私たちもそれなりの健康常識は身につけておく必要があります。
病気というものをどうとらえるか、医者との付き合い方、 病気にならない考え方――。ほかにも、食事の摂り方、ストレスの対処の仕方、あるいはダイエットを成功させるコツな ど、明るく元気に毎日を過ごしてもらえる有益な情報を連載でお届けします。今の生活をもう一度見直し、自己治癒力を高めるスキルを学びませんか?
現在よりいい治療法が見つかる可能性もある
セカンドオピニオンとは、「主治医とは別の医者にも意見を聞く」というものですが、1人主治医(担当医)制がほとんどである今日の日本の医療システムにおいては、必要なものであると考えています。
セカンドオピニオンをうんぬんするような病態というのは、本当の病気であり、主治医から提案されている治療法が、ひょっとしたら大きな副作用や後遺症をもたらすかもしれないという微妙な状況だと思います。
そんな大事な場面で、たった1人の主治医の意見を鵜呑みにするのは心配でしょう。
もし僕なら、患者さんから「先生にすべてお任せします!」と言われようものなら、自分からセカンドオピニオンを求めるように勧めるかもしれません。
なぜなら、自身の治療方針に自信があっても、ひょっとしたらもっといい手立てがあるかもしれないと思うからです。医療技術も日進月歩です。そのすべてをリアルタイムで把握することなど、1人の医者にできるはずはありません。したがって、もっと侵襲の少ない、新しい治療法が、今なら可能かもしれないからです。
ただ、セカンドオピニオンを求める場合、いくつかポイントがあります。まずは、主治医と違う立場の医者に聞くこと。たとえば主治医が外科医なら、内科医、放射線治療医に聞いてみることです。あるいは主治医と違う系列の病院で聞くことです。また、できれば3大治療以外にも詳しい医者にも聞いてみるべきです。
2つ目のポイントは、最終的には自分で判断を下すこと。もちろんマイドクターがいれば理想的ですが、親身になって考えてくれる医者の意見なども参考にしながら判断する必要があります。というのは、いつまでもセカンドオピニオンを求め続けている方もいらっしゃるからです。自分の望む答えを返してくれる医者が現れるまで、セカンドはおろかサード、フォース......と際限なくドクターショッピングをし、治療の好機を逸してしまうようなケースは防がなければなりません。
岡本 裕先生(おかもと・ゆたか)
1957年大阪生まれ。e-クリニック医師。大阪大学医学部、同大学院卒業。卒業後12年あまり、大学病院、市中病院、大阪大学細胞工学センターにて、主として悪性腫瘍(がん)の臨床、研究にいそしむ。著書に『9割の病気は自分で治せる』『9割の病気は自分で治せる2【病院とのつき合い方編】』『9割の病気は自分で治せる【ストレスとのつき合い方編】』(以上、KADOKAWA)、『22世紀。病院がなくなる日』(飛鳥新社)など多数。
「カラー版 図解 9割の病気は自分で治せる」
(岡本 裕/KADOKAWA)
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