日常動作は体の前側での動きがほとんど、といってもいいので、いつも前かがみになりがちです。今回は肋骨の間を広げて、胸をしっかり開くストレッチを、リンパティック・ストレッチ考案者の前新マミさんに、教えてもらいました。
胸を開くためには肩甲骨の周辺を寄せることになるので、肩こりの解消にもなります。
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肩凝りの原因は背中にあるとは限りません。背中の筋肉は前へと引っ張られ続けていることが多く、これは日常の動作がほとんど前側の動きであることと関係しています。
家事をする、デスクワーク、スマホを操作する......等々、ほとんどの動作は体の前側での動きです。このため背中の筋肉は引っ張られる=伸びている状態が続いています。逆に胸や肩の前側は前かがみになっていると、縮んだ状態が続いています。
筋肉は「縮んで伸びる」、両方の動きが大切なので、一方向への動きだけだと硬くなったり痛みが出やすくなったります。胸をしっかり開くと背中の筋肉は縮むので、普段伸びている筋肉に柔軟性が戻り、肩こりも解消されやすくなります。
また体幹にある腹筋や背筋、殿筋など、全てを同時に使うので効率よく鍛えることができます。胸が開かれ、さらに体幹がしっかりしてくると姿勢も良くなります。
胸上げストレッチ(4回)
肩甲骨から胸を突き上げるようなイメージで自分でできる限りでよいので上げていきましょう。
1 お尻を上げる
あおむけになり、脚幅は少し開いてひざを立てます。手は体に沿って伸ばします。
お尻を少しだけ床から上げます。
2 胸を突き上げる
今度は胸を上げます。肩甲骨のあたりから胸を天井方向に突き出すようなつもりで
上げていきます。
◎ポイント
ひざが開いてしまわないように注意します。
3 脚を伸ばす
そのまま脚をするすると伸ばしていき、4つ数えます。元に戻ります。
<教えてくれた人>
前新(まえあら)マミさん
1950年、北海道函館市生まれ。バレリーナ、プロダンサーとして活躍。バレリーナのためのリンパティック・ストレッチを考案。著書に『寝たままスッキリ!リンパ体操』他。
取材・文/石井美佐 撮影/藤田浩司 ヘアメイク/ange