人生100年時代。「鎌田式スクワット」「かかと落とし」で貯筋、骨活を続けよう/鎌田實

前の記事「運動と健康の関係が科学的に判明。若返りホルモンを分泌させよう/鎌田實(1)」はこちら。

 

おすすめは「鎌田式スクワット」

では、どんな運動をすればいいのでしょうか。
筋肉作動物質(マイオカイン)をたっぷり出すには、太もものような大きな筋肉を動かすこと。10年ほど前に出した『ちょい太でだいじょうぶ』(集英社文庫)でも紹介しましたが、ぼくは鎌田式スクワットを提唱しています。通常のスクワットとの違いは、ゆっくりと行うこと。

1) 肩幅ぐらいに足を広げる。息を吸いながら、いすにゆっくり腰を下ろしていくような気持ちで、腰を下げる。ひざがつま先より前に出すぎないように注意する。
2) 息を吐きながら、5秒静止し、そのあと5㎝腰を上げて5秒静止する。
3) この静止を4回繰り返しながら腰を上げていき、完全に立ち上がる。

運動の目安は、1)3)を10回1セットで、1日3セット。

人生100年時代。「鎌田式スクワット」「かかと落とし」で貯筋、骨活を続けよう/鎌田實 1808p114_01.jpg「鎌田式スクワット」は5㎝ずつ止まりながら腰を上げていくのが特徴。

 
「かかと落とし」は簡単

骨ホルモンを分泌させるには、骨に重力方向の刺激を与える運動がおすすめです。かかと落としは、膝関節に負担をかけにくい安全な"ジャンプ"です。

1)背筋を伸ばして立つ。
2)両足のかかとを上げて3秒ほどキープ。
3)かかとをストンと落とす。

1日30回ほどやりましょう。テーブル等につかまって行うと、より安全です。

人生100年時代。「鎌田式スクワット」「かかと落とし」で貯筋、骨活を続けよう/鎌田實 1808p115_01.jpg骨に刺激を与えて骨密度を上げる効果がある「かかと落とし」。血糖値の改善も期待できる。

 

続けるコツは「ながら運動」

運動が健康にいいとわかっていても、運動習慣がない人や、運動が苦手な人は三日坊主になりがちです。
「鎌田式スクワット」や「かかと落とし」は難しい運動ではないので、だれでも取り組みやすいものです。コツは、~しながらの「ながら運動」。テレビを見ながら、食器を洗いながら、電車待ちの時など生活のなかのほんのちょっとの時間にやってみるとよいでしょう。

 

ぼくは9㎏やせた

ぼくは鎌田式スクワットとかかと落とし、ウォーキング、そして週に1回スポーツジムで筋トレをしています。若い人たちに交じっての貯筋は楽しいです。少し我慢して続けていると、体重が減るなどの成果が出始めます。たとえ500g でも、成果が出たらしめたもの。もっとおもしろくしようと、貯筋に夢中になりました。ぼくはこうやっておもしろがって、半年間で9㎏体重を落としました。脂肪を減らし、筋肉を大きくするという理想的なやせ方ができました。

おかげで、冬は大好きなスキーを存分に楽しめ、急斜面をバンバン滑れるようになりました。体も心も軽くなり、もっともっと人生を楽しみたい、という意欲がわいてきていま
す。
 
人生100年時代がやってきています。ただ長生きするのではなくて、元気に長生きができるようにするためにも、これまで以上に筋肉と骨に注目しましょう。

 

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鎌田 實(かまた・みのる)さん

1948 年生まれ。医師、作家、諏訪中央病院名誉院長、東京医科歯科大学臨床教授。チェルノブイリ、イラクへの医療支援、東日本大震災被災地支援などに取り組んでいる。『だまされない』(KADOKAWA)、『曇り、ときどき輝く』(集英社)など著書多数。

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この記事は『毎日が発見』2018年8月号に掲載の情報です。

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