運動と健康の関係が科学的に判明。若返りホルモンを分泌させよう/鎌田實

pixta_23928889_S.jpgがんや認知症を減らす運動

適度な運動と健康の関係がますます注目されています。運動がどんな病気の予防や改善になるのか、科学的にわかってきたのです。

以前から、運動は血圧を下げ、血糖値を下げることはよく知られており、高血圧や糖尿病のコントロールには運動が重要な治療になっていました。さらに最近では、適度な運動習慣のある人は、認知症やがんの発症率が低いこともわかってきました。

 

夢の若返りホルモン

スウェーデンのカロリンスカ医科大学の研究では、運動がストレス解消になったり、筋トレをすることでうつ病のリスクを減らすこともわかりました。

筋肉を動かすことで分泌されるマイオカインという物質は、血糖値を下げ、慢性炎症を減らして、動脈硬化を予防するなどの効果があることが判明しました。さらに、認知症やがんも減らしているのではないかと推測されています。全身の健康や若さにもかかわるのではないかといわれ、「夢の若返りホルモン」という人もいます。

 

「貯筋」と「骨活(こつかつ)」が大切

骨に重力方向の刺激を与えると、骨をつくる骨芽(こつが)細胞からオステオカルシンという骨ホルモンが分泌されることもわかってきました。オステオカルシンは、骨密度を高めて丈夫な骨をつくる働きをしていますが、血糖値を下げ、糖尿病や老化の予防もしてくれます。

さらに、オステオカルシンは、アディポネクチンという物質を分泌し、メタボを改善したり、動脈硬化を防いでくれるともいわれています。
つまり、全身の健康を保ち、若々しく元気に過ごすには、筋肉を太く強くする「貯筋」や、骨を刺激する「骨活」がカギを握っていることになるのです。

 

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鎌田 實(かまた・みのる)さん

1948 年生まれ。医師、作家、諏訪中央病院名誉院長、東京医科歯科大学臨床教授。チェルノブイリ、イラクへの医療支援、東日本大震災被災地支援などに取り組んでいる。『だまされない』(KADOKAWA)、『曇り、ときどき輝く』(集英社)など著書多数。

この記事は『毎日が発見』2018年8月号に掲載の情報です。

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