「爪白癬」は10人に1人が持つ爪の水虫です/足の爪の変形

pixta_31955477_S.jpg普段はあまり気にすることのない、足の爪。小さなパーツですが、変形したり、色が変わったりしていませんか? 巻き爪をはじめとする足の爪の異常は、実は歩き方や姿勢などの生活習慣や外反母趾など、さまざまな要因の積み重ねから複合的に起こっているもの。大したことないと思っていると、やがて強い痛みを伴い、歩行困難にもつながるので、注意が必要です。

さまざまな足の爪の異常やその原因、正しいセルフケアの方法を、皮膚科医で、「日本フットケア学会」の理事も務める高山かおる先生にお聞きしました。

前の記事「爪が厚くなって歩く時に痛みが...。その症状、「肥甲爪」かも!?>/足の爪の変形(7)」はこちら。

 

カビによる感染で治療には根気が必要です

「爪白癬(つめはくせん)」は、「爪水虫」ともいわれる爪の感染症です。白癬菌という真菌(カビ)による感染で、「足白癬」、いわゆる「足水虫」がひどくなると爪にも感染することが多いです。

初期は、爪の表面が黄色や茶褐色に変色し、縦じわやデコボコが目立つようになります。そのうちに爪が白濁し、厚みを増していきます。放置すると爪の下の角質がどんどん厚くなり、爪がもろくなってボロボロと砕けたりします。

かゆみや痛みはありません。また、爪の色の変色にもあまり気を留めない人だと、自覚するのがなかなか難しい症状ですが、「爪甲下角質増殖(そうこうかかくしつぞうしょく)」の一番の原因でもあります。

また、爪が変形したままだと、「巻き爪」や「陥入爪(かんにゅうそう)」になる場合もあるので、早めに治療したいものです。

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「『爪白癬』は日本では10人に1人は疾患を抱えているといわれるほどポピュラーな皮膚疾患で、特に男性に多い爪病変ですが、素人目には判断が難しい疾患でもあります。
また、再発することも多く、治療には根気が必要です。疑わしい症状が見られた時は、早めに専門医の診察を受け、正しい診断と適切な治療を受けましょう」(高山先生)。

日常生活では、感染を防ぐことが重要になるので、温泉やスポーツジムなどで裸足になったら、靴を履く前に足を拭き、帰宅したらきれいに洗うようにします。
また、爪切りの際は切った爪が飛び散らないようにし、切った爪は紙に包んで捨てることで、他人にうつすことを防ぎます。切り終わったら、爪切りと手をきれいに洗いましょう。


【主な原因】

■白癬菌
真菌(カビ)による感染。たいていは足に寄生していた白癬菌(水虫菌)が爪の中にまで入り込んで発症します。

 

【主な治療法】

■内服薬
病変部の角質を顕微鏡で見て、白癬菌がいることが確認されたら、爪には外用薬が浸透しにくいため、外用薬と併せて内服薬が処方されます。治療期間は半年から1年はかかると考えておくとよいでしょう。根元から新しい爪が生えるにつれて「爪白癬」となった爪は上に伸びていき、ゆっくりよくなっていきます。

「『爪白癬』では、ほとんどの患者が『足白癬(足水虫)』を併発しています。足白癬だけ塗り薬で殺菌しても、爪からの白癬菌で感染してまた足白癬となり、それがまた爪に感染して爪白癬になる...という堂々巡りが続きます」と高山先生。

ですから、症状が緩和されても「治った」と自己判断せず、医師に「完治しました」と言われるまで、根気よく治療を続けることが大切だそうです。

 

次の記事「薄くなったり線が入ったり。気をつけたい足の爪の異常あれこれ/足の爪の変形(9)」はこちら。

取材・文/岡田知子(BLOOM)


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高山かおる(たかやま・かおる)先生

医師・医学博士。済生会川口総合病院皮膚科主任部長、東京医科歯科大学臨床准教授。接触性皮膚炎、フットケアを専門とする。難治性の巻き爪、陥入爪、肥厚爪などの疾患に対し、トラブルの根治を目指した原因の追求、診察、専門治療のほか、セルフケアの指導を行う。「100歳まで自分の足で歩ける社会」を目的に発足した「足育研究会」の代表、日本フットケア学会の理事を務め、フットケアの啓発活動も行っている。著書に『巻き爪、陥入爪、外反母趾の特効セルフケア』(マキノ出版)、監修に『皮膚科医が教える本当に正しい足のケア』(家の光協会)

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