Q
足の爪が白く濁っています。
66歳の男性です。足の爪の濁りについて教えてください。
私は、小さな工場で車の部品を作る仕事をしており、その際、履物は自由で、サンダルのようなものを履いておりました。
ところが、安全の為に、きちんとした靴を履くようにと決まりまして、それ以来革靴を履くようになったのですが、しばらくすると足の爪が白っぽく濁ってきました。
嫁は水虫ではないかと言いますが、かゆみも痛みもありません。爪に水虫ができるわけがないと笑っていましたが、なかなか治りません。爪の濁りは、靴が足に合わない為でしょうか。それとも妻の言うように、水虫なのでしょうか。
A
水虫菌が爪に感染 皮膚科で診察を
爪が白く濁るという事でのご相談です。爪が白く濁るという状況では、奥様が心配をされている通り、「爪白癬」と呼ばれる爪の水虫であることがほとんどです。
爪白癬は、爪そのものにはかゆみや痛みなどの症状が現れずに、爪が白くなる、爪が分厚くなるというのが典型的な症状です。
基本的に、一般的な足の水虫がある方に、一緒に出てくるということが多いです。おそらく仕事場での履物をサンダルから革靴に替えたことにより、通気性が悪い、蒸れやすい、汗がたまるといった、水虫が繁殖しやすい環境が整ってしまい、本来少しだけ存在していた水虫菌が、爪にも感染して、繁殖してしまったのだと思われます。
家族感染に注意
そのまま放置しますと、爪を切った際などに、爪切りや爪の切りくずなどから、ご家族に感染してしまう恐れもございます。
そのため早急に治療を進めなければならないのですが、爪白癬というものはなかなか厄介です。薬を塗っても、爪ですので、薬剤が浸透しないため、普通の水虫の塗り薬では治りません。飲み薬などを使った専門的な治療を行なう必要がありますので、一度皮膚科へご相談ください。
爪白癬以外で爪が白く濁る病気というものを考えますと、可能性としては低いのですが、爪の根元の、爪を作る元となる細胞に異常が起こり、その部分だけが縦線状に白くなるという事があります。
あるいは、内科の病気ですと、肝硬変によって爪が白くなるということもあります。しかし肝硬変の患者さんの場合、肝臓の数値が高くなる、黄疸が出る、腹水が出るなど、そのような症状も一緒に現れることが一般的です。万一、肝硬変の症状に心当たりがある場合には、一度チェックをしておいた方が良いでしょう。
高谷 典秀 先生(たかや・のりひで)
医療法人社団同友会 理事長。順天堂大学循環器内科非常勤講師。日本人間ドック健診協会 理事。学校法人 後藤学園 武蔵丘短期大学客員教授。
著書に『健康経営、健康寿命延伸のための「健診」の上手な活用法』(株式会社法研)など。
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