「早食い・大食い・肉食」は危険因子。泌尿器科医が提唱、20人に1人が激痛「尿路結石」を発症する理由

結石の除去は「水分で流す」「溶かして流す」「砕いて流す」

腎臓でできた結石が尿管に詰まると、激痛を起こします。この結石の痛み発作は、夜中に起きることが多いです。夜中は尿が濃縮されるので、尿管の粘膜がむくみやすくなっています。しょっぱいおせんべいを食べると口のなかがふやけるのと同じです。

結石は尿とともに流れていきますが、このむくんだところに結石が転がって詰まってしまうと、尿が流れなくなり、尿管の筋肉がけいれんします。また腎臓の腎盂がダムのように広がる力が働き、神経が引っ張られて強い痛みが起こるのです。

結石が腎臓内に留まっているときには鈍痛がある程度です。また、膀胱結石や尿道結石では、頻尿や残尿感が生じます。尿路に詰まってしまった結石は、石が小さいときは、尿量を増やしたり、薬で尿管のむくみやけいれんをとって石を尿と一緒に排泄されるようにもっていきます。大きい石や、なかなか排泄されない石では体外からの衝撃波や超音波、レーザーで結石を砕いて流すといった治療があります。

もう1つ、珍しいケースでは前立腺に結石ができることもあります。

これは、尿路結石とは違って通常は無症状です。健康上の問題はありませんが、結石が成長すると頻尿や残尿感など、前立腺肥大症に似た症状が現れます。前立腺の結石は尿で排出されないため、排尿に支障を感じるほど大きくなってしまったら、外科的にとり除くことになります。

 

堀江重郎
泌尿器科医、医学博士。1960年生まれ。日米の医師免許を取得し、米国で腎臓学の研鑽を積む。2003年帝京大学医学部主任教授、2012年より順天堂大学大学院医学研究科泌尿器科学主任教授。順天堂医院泌尿器科長。腎臓病・ロボット手術の世界的リーダーであり、科学的なアプローチによるアンチエイジングに詳しい。日本抗加齢協会理事長、日本メンズヘルス医学会理事長。

※本記事は堀江重郎著の書籍『尿で寿命は決まる 泌尿器の名医が教える 腎臓・膀胱 最高の強化法』(SBクリエイティブ)から一部抜粋・編集しました。
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