コロナ禍での外出自粛などで、いま全国のシニアがフレイル(要介護の前の虚弱状態)の危機にあります。そこで、東京大学高齢社会総合研究機構の教授である飯島勝矢さんの著書『在宅時代の落とし穴 今日からできるフレイル対策』(KADOKAWA)より、自宅でできる感染予防や、要介護予防についてご紹介します。
フレイルの危険がより詳しくわかる「イレブン・チェック」にトライ
●栄養、口腔、運動、社会性......。気をつけたほうがよいのはどれ?
みなさんは、毎日の食事に気をつけていますか?
十分な感染症対策をとりながら、ウォーキングを楽しんだり、スポーツジムに行ったりしていますか?
地域のボランティア活動やイベントに参加したり、友人同士で食事をしたりしているでしょうか?
「フレイル=虚弱」という言葉からは、運動機能の衰えを連想する人が多いかもしれません。
しかし、予防のためには、運動のほかに栄養、社会参加といった多面的なアプローチが必要です。
自分はどんなことに気をつければよいのか、「大規模高齢者フレイル予防研究」をもとにした11項目のチェック(下記)で確かめてみましょう。
この「イレブン・チェック」は、日本各地に広がっている「フレイルチェック」の会場で継続的に行われているものと同じ内容です。
フレイルチェックとは、同世代の高齢者同士で、フレイルの兆候を簡単に調べられる、複合型健康増進プログラムのこと。
チェックの対象は、「健康長寿の三本柱」と位置づけられている次の3つです。
- 栄養(食・口腔)
- 運動
- 社会参加
チェックの結果、「しっかり噛んで、しっかり食べること」「運動すること」「社会とのつながりを持つこと」がバランスよくできていれば、加齢に伴う体や心の衰えを予防でき、改善につなげられると期待されています。
65歳以上の方を対象にした内容ですが、40代、50代の方もぜひやってみてください。
きっと何らかの気づきがあるはずです。
早く、しっかり気づいて自分ごと化すれば、必ず、フレイル予防に役立ちます。
全国のフレイルチェック会場で行われています
イレブン・チェック
それぞれの質問に対して、当てはまると思うほうを丸で囲んでください。
4、8、11 は、「はい」と「いいえ」の位置がほかと逆になっているので、気をつけてください。
【判定】
右側の赤い欄についた丸が
● 0 ~ 2 個/市民の47%......正常群
● 3 ~ 4 個/市民の29%......プレフレイルの可能性
● 5 個以上/市民の24%......フレイルのリスクが高い
イラスト/中村知史
要介護の手前の「フレイル」状態を防ぐために自宅でもできる健康法について、5章にわたって分かりやすく解説