誰かの言葉にすぐ反応。SNS、ツイッター、ネット記事に常に反応......毎日、ムダな「反応」をしていませんか? すべての「苦しみ」は、自分が「反応する」ことから始まっています。それを理解することが、悩みを解決する第一歩です。
本書『反応しない練習』で、ブッダの超・合理的な考え方を学び、あなたも‟反応しない練習"を始めてみましょう。
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心の状態を「きちんと見る」だけで
反応せずに、まず理解する――これが、悩みを解決する秘訣です。特に「心の状態を見る」という習慣を持つことで、日頃のストレスや怒り、落ち込みや心配などの「ムダな反応」をおさえることが可能になります。
では、「心の状態を見る」とはどういうことか。ここではその方法を三つ紹介します。(1)言葉で確認する。(2)感覚を意識する。(3)分類する――いずれも、ムダな反応を静める絶大な効果を持っているので、ぜひ実践してください。
ココロの状態を言葉で確認する
これは、心の状態を「言葉で確認する」方法です。たとえば、苦手な人の前で緊張してしまったら、「わたしは緊張している」と確認します。長時間テレビやインターネットで遊んでしまったときは、「アタマが混乱していて落ち着かない」「心がざわついている」と客観的に確認します。特に「目をつむって」確認してみると、心が落ち着きます。
仕事中でも、家族といるときも、「今、自分の心は、どんな状態だろう?」と意識するようにします。「疲れを感じているな」「気力が落ちているな」「イライラしているな」「考えがまとまらないな」というように、客観的に確認します。
「言葉で確認する」ことを、仏教の世界では「ラベリング」(ラベル貼り)と呼ぶことがあります。心の状態にぺたりと「名前」を貼って、客観的に理解してしまうのです。
このラベリングを、日常の動作にも、同じようにやってください。掃除をしているときには、「わたしは今、掃除をしている」。食器を洗っているときは、「食器を洗っている」。歩いているときは「今、歩いている」。パソコンで作業しているときは「作業している」と、ありのままに言葉で確認します。
こうして、心の状態、体の動作を、客観的に言葉で確かめる習慣を身につけるのです。実践していくと見えてきますが、言葉で確認すると、「反応から抜け出せる」のです。反応から抜けると、心は落ち着きを取り戻します。「言葉で確認する」作業は、メンタルヘルスの基本として、お勧めできます。
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僧侶、興道の里代表。1969年、奈良県生まれ。中学中退後、16歳で家出・上京。放浪ののち、大検(高認)を経て東大法学部卒業。現在、インドで仏教徒とともに社会改善NGOと幼稚園を運営するほか、日本では宗派に属さず、実用的な仏教の「本質」を、仕事や人間関係、生き方全般にわたって伝える活動をしている。著書に『悩んで動けない人が一歩踏み出せる方法』(WAVE出版)、『独学でも東大に行けた超合理的勉強法』(サンマーク出版)、『消したくても消えない「雑念」がスーッと消える本』(大和出版)がある。著者ブログはこちら。
(草薙龍瞬/ KADOKAWA)
すべての「苦しみ」は、自分が「反応する」ことから始まっています。それを理解することが、悩みを解決する第一歩です。その事実と、具体的な方法論を教えてくれるのは、2500年前の悟った人、ブッダ(原始仏教)。本書では、原始仏典を紐解きながら、現代人の人生に活かせる合理的な考え方を紹介します。