立ち仕事が多い人は注意!40歳以上がなりやすい「足底腱膜炎」の基礎知識

健康のためにウォーキングやジョギングを実践されている方も多いのではないでしょうか。でも実は、足裏に負荷をかけ過ぎると「足底腱膜炎」になるので、注意が必要です。そこで今回は西調布整形外科院長の佐野みほろ先生に「足底腱膜炎」についてお聞きしました。

pixta_20328476_S.jpg

起床時の歩き始め、足の裏の激痛が特徴

「足底腱膜とは、かかとから指の付け根まで水かきのように広がる膜のことです。足のアーチを支え、歩行や走行などの足の動きと深い関わりがあります。この膜が損傷して炎症が起こるのが足底腱膜炎です」と佐野みほろ先生は説明します。

足の裏の腱膜の炎症により、歩くと足の裏に痛みが走ります。特に、朝起きて歩き始めたときなどに痛みが生じ、土踏まずの辺り(かかとの骨の上)を押すと痛みを感じやすいのが特徴です。

「初めて足底腱膜炎の特徴を経験して驚かれる方もいますが、基本的にストレッチで症状は改善できます」と佐野先生。

足底腱膜炎がひどい状態では、痛み止めなどの薬、手術などの治療法がありますが、一般的には適正なストレッチだけで痛みを軽減できるそうです。

「高齢の方は、足底腱膜炎の痛みかと思ったら、骨粗鬆症で骨折していたというケースもあります。まずは受診して原因を調べましょう」。

アキレス腱が硬い人は足底腱膜炎になりやすい

足底腱膜炎は、歩行や走行、靴の履き方、姿勢、加齢などによって足底腱膜に負荷がかかりすぎることで起こります。例えば、歩くときに足はかかとから着地して指先で蹴りだしますね。この蹴り出しのときに、かかととふくらはぎの筋肉を結ぶアキレス腱が引っ張られ、さらに足底腱膜も引っ張られます。アキレス腱が硬い状態では、足底腱膜に負担がかかり炎症を起こしやすいのです。

「ハードな運動で足底腱膜を酷使して負荷をかけすぎることも炎症の引き金になりますが、運動不足でアキレス腱などの組織が硬いときも、足底腱膜に負荷はかかります。また、加齢でも足底腱膜は損傷しやすく、女性の場合はサンダルやパンプスなどの脱げやすい靴でも足底腱膜炎の原因になります」と佐野先生は話します。

サンダルやパンプスなどを履くと、脱げないように自然に指が反ります。その状態を続けることで癖になり、足底腱膜を引っ張って負荷をかけることになるのです。そして、骨と足底腱膜のつなぎ目に炎症や断裂が起こり、さらに、骨が引っ張られる状態が続くと、骨自体が変性してかかとにトゲのような骨棘が生じ、激しい痛みを伴うようになります。

「痛みがひどいときには注射で軽減しますが、適正なストレッチを行えば、痛みが一生続くようなことはほとんどありません。また、ストレッチは足底腱膜炎の予防にもなります」と佐野先生はアドバイスします。

「足底腱膜炎」とは?

かかとの骨の下側から、指の付け根におよぶ足底腱膜という帯状の組織に痛みが生じること

なりやすい人は

・ウオーキング、ジョギングなど足を酷使する運動をよくする人
・40歳以上の人 (重心が後方にかかり、かかとに体重が乗りがちな人)
・骨粗鬆症または骨密度が低い人
・立ち仕事の多い人(足裏で体重を支える時間が長い)
歩行や走行、立ちっぱなしなどで、 足底腱膜に負荷がかかりすぎると足底腱膜炎のリスクがアップ。

セルフチェック

・朝、寝床から起きて最初に歩き始めたときに足の裏が痛い
・かかとや土踏まずが痛い
・足の裏を押すと痛い場所がある
・歩く・走ると 足の裏が痛くなる
歩こうとして足指が反ったときに、土踏まずの中央やかかとに近い辺りに痛みが走るのが特徴です。

歩く動作に深いかかわりのある「足底腱膜」とは?

1910p087_01.jpg

腱とは骨と筋肉をつなげる組織のことで、腱が膜のように広がっている状態が腱膜。足の裏で指のつけ根からかかとまで水鳥の水かきのような組織になっており、これを足底腱膜と称します。足底腱膜は、足首のアキレス腱と連動し、アキレス腱はふくらはぎの筋肉と連動。この動きがうまくいかないと足底腱膜に負荷がかかり、炎症につながるのです。

歩くときの足底腱膜

足を蹴り出すとき

1910p087_02.jpg

足を着地させたとき

1910p087_03.jpg

歩行では、かかとをつけて指に重心をかけて蹴り出します。この蹴り出しのときに、アキレス腱が硬いと足底腱膜への負担が大きくなるのです。加齢で筋肉が硬くなっていると尚更です。

「下肢静脈瘤」「めまい」「貧血」...その他の記事一覧はこちら!

 

<教えてくれた人>

西調布整形外科院長

佐野みほろ(さの・みほろ)先生

長崎大学医学部卒。順天堂大学整形外科学教室入局後、同大学附属順天堂医院及び関連病院勤務。 2005~13年山王病院整形外科を経て15年から現職。手術をしない保存的治療としての運動療法に尽力。

この記事は『毎日が発見』2019年10月号に掲載の情報です。

この記事に関連する「健康」のキーワード

PAGE TOP