40代から「たんぱく質」と向き合えば年を重ねても健康をキープ! 医者兼芸人による「たんぱく質解説」

たんぱく質が不足すると、筋肉量の低下、意図しない体重減少、疲労感、むくみ、免疫力の低下といった症状が現れます。

本来、筋肉や骨が徐々に衰え始め、毛髪も心なしかコシがなくなっていく40代こそ、たんぱく質を摂取しなければならないはず。にもかかわらず、海外の研究(※7)によって、同じ量のたんぱく質を30代と60代が摂った結果、60代の人のほうが筋たんぱく質の合成反応が遅くなることが確認されました。つまり、年齢が高ければ高いほど、若い人よりも多くたんぱく質を摂らなければ筋肉を増やすのが難しいというのです。しかも、先のような症状を放っておくと、とりわけ高齢者に至って心身の機能が低下するフレイル(※8)へと陥る恐れも。実際、食事にプロテイン入りの麺を使ったラーメンやうどんを提供する老人ホームも増えているようです。つまり、40代のうちからたんぱく質と向き合っていれば、年を取ってからも若いときと同じような健康状態をキープしやすいのです。

たんぱく質が多い食品と見つけ方

たんぱく質を多く含む食品には、肉や魚介類、卵、大豆・大豆製品、乳・乳製品などがあります。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、1日あたりのたんぱく質の摂取推奨量は、30〜49歳の男性で65g、女性で50g。体重1kg当たりのたんぱく質1g、つまり自分の体重(kg)の数字と同じぐらいのグラム数だけたんぱく質を摂取するようにしましょう。ただし摂りすぎには注意。たんぱく質を処理する肝臓や腎臓に負担がかかって内臓疲労につながることもあります。過ぎたるは及ばざるがごとし。何事も中庸が肝心です。

コンビニやスーパーで買い物をするとき、商品に記載されている〝栄養成分表〟って見ていましたか? なんとな~くカロリーだけを見てはいませんでしたか? 消費者庁によると、2020年から新たな食品表示制度が施行され、容器包装された加工食品には「栄養成分表示」が義務化。エネルギー(カロリー)、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量(ナトリウムから換算)の5項目(そのほかの成分は任意表示)が必ず記載されるようになりました。たとえば高血圧気味の方は食塩相当量をチェックしてみるなど、食品を手に取り、カゴに入れる前に、いったん成分表を見る習慣をつけてみませんか?

※6 セロトニン 脳内の神経伝達物質のひとつで、ドーパミン、ノルアドレナリンを制御し精神を安定させる働きをする。精神が安定し、幸福感を得やすくさせる作用があるため「幸せホルモン」とも呼ばれている。
※7 海外の研究 出典 Katsanos CS et al.(2005). Am J ClinNutr.
※8 フレイル 日本老年医学会が2014年に提唱した概念で、英語「Frailty(虚弱)」をもとにした用語。健康な状態と要介護状態の中間に位置し、身体的機能や認知機能の低下が見られる状態のことを指す。

笑いの処方せん

健康的な身体をキープできれば、中年になってもモテ期へのスタートラインに立てる!!

 

しゅんしゅんクリニックP
1983年7月2日生まれ。群馬県前橋市出身。吉本興業所属のお笑い芸人兼医師。アイドルグループ「吉本坂46」メンバー。2008年、群馬大学医学部医学科卒業。NSC東京校16期卒業後、2011年に漫才コンビ「フレミング」を結成して舞台を中心に活動するも2016年に解散。ピン芸人に転向後、医者あるあるの歌&ダンスネタ「ヘイヘイドクター」が注目を集めてブレイク。以降、テレビや舞台、YouTubeをはじめ、学園祭や医学系学会にも多数出演するなど、幅広い活動を行っている。史上最高齢で神保町よしもと漫才劇場の所属芸人となったおばあちゃんとの漫才ユニット「医者とおばあちゃん」としても活動中。


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※本記事はしゅんしゅんクリニックP著の書籍『40歳を過ぎるとなぜ健康の話ばかりしてしまうのか?』(ヨシモトブックス:発行)から一部抜粋・編集しました。
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