42度のシャワーが大活躍⁉ 専門医が教える「つらい目の疲れ」に効く入浴法

肩や首のコリ、目疲れや肌あれ・・・年齢を重ねるごとに増えていく体の不調。これらを解消するのに外せないのが、毎日入る「お風呂」でしょう。医学的にお風呂を研究する医師・早坂信哉さんは「入浴方法を少し変えれば、さらなる健康効果が期待できる」と言います。そこで、早坂さんの著書『最高の入浴法~お風呂研究20年、3万人を調査した医師が考案』(大和書房)から、「疲労回復できる入浴法」のエッセンスを連載形式でお届け。今夜からお風呂の時間が劇的に変わります。

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「つらい目の疲れ」に効く入浴法


パソコン、スマホの使いすぎに注意!目に優しい環境づくりを。
● 目の周囲を温め、しっかりと血流を送ることで、疲労物質を取り除く。
● 浴室の照明を電球色(オレンジ色)などに変えて、目と心を休ませましょう。


パソコンやスマホの使いすぎで、「目の疲れ(眼精疲労)」を訴える人が、近年急増しています。

とりわけ、デスクワークで一日中パソコンを使用する人は大変です。夕方ごろになると目が疲れて、こめかみや目頭をマッサージしているのではないでしょうか?

症状が重くなると、頭痛や吐き気、肩こりなども誘発します。

眼精疲労の原因は様々ですが、「目の周囲の血流が滞ること」がその一つとして挙げられます。目の周囲の筋肉が緊張し、血の巡りが悪くなることで疲労物質が溜まってしまうのです。

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そこで、役立つのがお風呂です。

目の周囲を温めて血流をアップさせ、しっかりと血液を送ることで疲労物質(老廃物)を取り除くことができます。

蒸しタオルなどを目に当てて温め、周囲をマッサージすることで血流がよくなり、疲労物質の代謝を促進します。この場合、お風呂の温度は38℃から40℃程度で、15分ほどゆっくり入るのがいいでしょう。

最近「目の周りを温めるアイマスク」が人気を集めていますが、お風呂で実践すれば手軽ですし、お金もかかりません。

別の方法もあります。

42℃の熱めの温度のシャワーを目の周囲に当てることで、目の疲れをとる効果があるのです(目はしっかりつぶってください)。

東京ガス・都市生活研究所の実験結果では、眼精疲労によって一時的に落ちた視力が回復したというものもあり、眼精疲労の改善にシャワーは役立つようです。

目に優しい環境のつくり方

また「浴室の照明を変えてみる」というのもいいでしょう。眼精疲労では、白い蛍光灯の光がまぶしくなり、つらく感じる症状も出てきます。また、日中の日差しのような白い光は交感神経を刺激して、よい睡眠につながりません。

オフィスの蛍光灯を変えるのはなかなか難しいかもしれませんが、せめて自宅の浴室などは目に優しいものに変えてみましょう。

白色ではなく、電球色と言われるオレンジのものがおすすめです。または「外(脱衣室など)だけ電気をつけて、お風呂場の電気を消す」というのも、すりガラスを通した柔らかい光が浴室に入り、目に優しいでしょう。

私たち現代人の生活は、ここ100年ほどで急激に明るくなりました。それまで人間は、昼間の太陽と、夕日のオレンジ色の光、そして夜はろうそく程度の光の中で生活していました。

人間の体の中では、生物として、太陽の動きとともにサーカディアンリズムという24時間周期のリズムが成り立っています。しかし、人間は、100年程度では変化しません。急激に光が増えれば、体がついていかないのも当然です。

いまさらパソコンやスマホのない生活に戻るのは難しいですが、せめて浴室くらいは100年前のように暗くして、目と心を休ませてあげてください。

イラスト/二階堂ちはる

※お湯の温度は、1℃の違いで体に与える効果が変わります。自宅の浴槽に温度調節機能がない場合は、お風呂用の「湯温計」のご利用をおすすめします。ホームセンターや、デパートのベビー用品コーナーなどで販売されています。
※掲載されている入浴法は、様々な医学的研究の結果から、その効果が一般的に期待されるものです。ただし、個人の体質や疾患の性質により、その効果には個人差があります。症状が緩和しない場合、主治医に相談してください。

お風呂研究20年の医師が考案した『最高の入浴法』記事リストはこちら!

42度のシャワーが大活躍⁉ 専門医が教える「つらい目の疲れ」に効く入浴法 063-syoei-saikounonyuuyoku.jpg入浴の効果から方法までが5章にわたって解説され、「正しい入浴」がすぐに実践できます。体の不調別入浴法や温泉や銭湯の効果的な入り方も

 

早坂信哉(はやさか・しんや)

温泉療法専門医、博士(医学)。東京都市大学人間科学部教授。1993年自治医科大学医学部卒業後、地域医療に従事。2002年自治医科大学大学院医学研究科修了後、浜松医科大学医学部准教授、大東文化大学スポーツ・健康科学部教授などを経て、現職。(一財)日本健康開発財団温泉医科学研究所所長、(一社)日本銭湯文化協会理事、日本入浴協会理事。

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『最高の入浴法~お風呂研究20年、3万人を調査した医師が考案』

(早坂信哉/大和書房)

生活習慣としての「入浴」を医学的に研究する第一人者が考案した、疲れきった体と心を整える「お風呂の効果」倍増メソッド! いつもの家風呂も、たまに行きたくなる温泉や銭湯も、入り方をちょっと変えれば、その健康効果は大きく変わります。血流アップ&自律神経が整えられる、まさに「最高の入浴法」をまとめたお風呂のバイブル。

※この記事は『最高の入浴法~お風呂研究20年、3万人を調査した医師が考案』(早坂信哉/大和書房)からの抜粋です。
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