60代で急増する「加齢性難聴」予防に!「ハチの羽音呼吸法」のススメ

「加齢性難聴」をご存知ですか? 加齢に伴って誰にでも起こる症状ですが、実は認知症のリスクを高めるともいわれており「単なる老化」で見過ごすわけにはいかない病気なのです。そこで、この「加齢性難聴」への対処法について、JCHO 東京新宿メディカルセンター 耳鼻咽喉科診療部長の石井正則先生にお話を聞きました。

pixta_37388576_S.jpg

根本的な治療法はないが、血流を促す生活習慣が大切

一度壊れた有毛細胞は再生することはなく、根本的な治療はありません。補聴器で聞こえを改善します。

最近の研究では難聴が認知症の発症リスクを高めるともいわれています。

聞こえが悪くなったと感じたら、「年齢のせいだから」と放置せず、早めに耳鼻科を受診し、問診と聴力検査を受けることが大切です。加齢性難聴は特に高い音が聞き取りにくくなるため、聴力検査では高い音がどれだけ聞こえるかを調べます。

補聴器の使用を検討する場合は、補聴器相談医のいる耳鼻咽喉科を受診し、医師の指導の下、連携している認定補聴器技能者がいる販売店で選びます。購入前に試用しながら微調整し、最低2~3カ月かけて脳と耳を補聴器に慣れさせることが大切です。

加齢性難聴を悪化させる原因として、糖尿病、高血圧症、動脈硬化などの生活習慣病があります。これらは内耳や脳の血流を悪くして、聴力の低下を招くとされています。過度なストレスも内耳への血流を悪くします。

加齢性難聴は、誰にでも起こり得ることです。毎日の運動や食事など生活習慣を整え、ストレスをコントロールすることで、少しでも進行を遅らせることが可能です。

■難聴を遅らせるために普段から気を付けたいコト
・大音量でテレビを見たり音楽を聴いたりしない
・生活習慣病を管理する
・ビタミンB群とビタミンCを積極的に摂る
・有酸素運動を行う(ウオーキング、ランニング、水泳、自転車など)
・禁煙する

■「ハチの羽音呼吸法」でリラックス
脳と自律神経をリラックスさせ、耳のつまり感を軽減させます。

(1)背もたれに背中をつけずにいすに座り、足は肩幅くらいに開く。テーブルに両ひじをつき両手の人さし指を両耳の中に浅く入れ、目を閉じる。1908p091_2.jpg

(2)お腹が膨らむのを意識して、鼻からスッと息を吸う。

1908p091_2.jpg

(3)自分にだけ聞こえるくらい小さい声で「ウーン」と言いながら、おなかをへこませるようにして息をゆっくり長く吐く。息が苦しくなる一歩手前で、鼻から短くスッと息を吸う。(2)→(3)を5分間繰り返す。1908p091_2.jpg

肺MAC症など、知っておきたいその他の「持病対策」記事はこちら!

取材・文/古谷玲子(デコ) イラスト/メイタ ハセガワ

 

<教えてくれた人>

石井正則いしい・まさのり)先生

JCHO 東京新宿メディカルセンター 耳鼻咽喉科診療部長。1980年東京慈恵会医科大学卒。84年同大学院修了とともに米国留学。87年に帰国後、同大耳鼻咽喉科耳鼻咽喉科医長、同大准教授を経て現職。『耳鳴りがスッキリする呼吸がわかった』(マキノ出版)など著書多数。

この記事は『毎日が発見』2019年8月号に掲載の情報です。

この記事に関連する「健康」のキーワード

PAGE TOP