免疫力を高めるには、自律神経のバランスを整えることが大切です。一見難しそうですが、日頃の習慣を見直すことで効果を期待できます。今回は、順天堂大学医学部 教授小林弘幸(こばやし・ひろゆき)先生に、「免疫力を高める生活術」の中から「昼にする3つのこと」を教えてもらいました。
【前回】自律神経の名医の「免疫力を高める」生活術。朝にすべき「3つのこと」と「NG行動」
調子よく過ごすには副交感神経が重要
女性は40歳を過ぎるとリラックスを司る副交感神経の機能が急降下します。
交感神経が優位になり、筋肉に血液が行き渡らなくなって疲れやすくなったり、脳の血流が悪くなって集中力や判断力が低下します。
副交感神経の働きを上げるよう意識するのが大切。
1.短時間でも好きなことをする
写真やぬり絵、俳句、切り絵、音楽を聴くなど、興味のあることに熱中する時間を作ることも大切です。
「私の場合、空や花、街の景色などをスマートフォンで撮影するのが楽しみ。このとき、体はリラックスして副交感神経が高まっている状態です。何でもいいので、日常から離れた時間をもつことが必要です」(小林先生)
2.怒りや焦りからは逃げるのもアリ
「なんだか焦りを感じる」「イライラする」といったときは、自律神経のバランスが乱れて、緊張や興奮を司る交感神経のレベルが高くなり過ぎています。
そういったときは、いったんその場を離れるのが正解だと小林先生。
「私自身は、時々、お気に入りのカフェで1人の時間を過ごすようにしています。いつもの場所から離れることで、それまでの流れを変えることができます。自分なりに気持ちをリフレッシュできる場所をもっておくといいですね」
3.体を伸ばして、ひねって、動かして
自律神経の働きは、加齢で低下します。
しかし、小林先生の研究では、柔軟性を保つ運動が慢性疲労を解消、深い呼吸で自律神経が整い、内臓機能も高まったといいます。
「軽いスクワットや階段上りなど、体をちょこちょこ動かすのがおすすめ。深い呼吸は、鼻からゆっくり吸い、倍の時間をかけて口からゆっくり吐くのを意識してください。体を伸ばす、ひねるのも深い呼吸に役立ちます」
《コレはやってはいけない》
短気は損気
ゆっくりを心がけて
怒ってばかりいると、交感神経が優位に立ちっぱなしになり、次第に睡眠のリズムも乱れ、不調を起こします。
自律神経を整えるには、「ゆっくり話し、ゆっくり動く」が基本と覚えておきましょう。
取材・文/寳田真由美(オフィス・エム) 撮影/米山典子 イラスト/カトウミナエ モデル/氷川よし子(SPLASH)