ちょっと逆流性食道炎だなと気づいたときに「自分でもできる薬選び」と「日常生活でできる対処法」

胸やけ、おなかの張り、胃もたれ、げっぷ...こんな症状がある人は逆流性食道炎かもしれません。実は、年齢に関係なく、若い人にもこの病気が増えているそうです。そこで、逆流性食道炎の手術を500例ほど手掛けた外科医・関洋介先生の著書『胸やけ、ムカムカ、吐き気、胃痛、げっぷ・・・・・・それ全部、逆流性食道炎です。』(アスコム)より、症状のチェックから、治療法まで、知っておきたい「逆流性食道炎」の情報をご紹介します。

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Q.食後胸やけがひどく、胃液が上がってきます。どうすればいいですか?

食事をしたあとに胸やけがする、酸っぱいものがこみ上げてくるといった不快感は、胃から胃液が逆流して、食道に上がってくるために起こります。

それが「食べ過ぎたときだけ起きる」とか、「お酒を飲みすぎたときだけ起きる」のであれば、すぐに病院に行かなくても、対処できるかもしれません。

市販の胃薬で胃酸の分泌を抑えたり、水などを飲んで胃液を薄めたりする方法がよく知られています。

「牛乳を飲むと楽になる」とおっしゃる患者さんもいます。

同時に、ベルトや帯をゆるめて腹圧を上げないようにすることで、症状をある程度抑えられます。

また、胃の中に食べ物が入っている状態で横になるのは避けましょう。

食後少なくとも2時間は横にならない生活習慣をつけましょう。

炭酸飲料を飲むのは逆効果です。

ビールやコーラ、炭酸水などは胃で発泡して胃の圧力を上げるので、胃液の逆流を助長してしまいます。

「すっきりするから」と飲みたがる人がいますが、注意しましょう。

この症状が「たまに」「ときどき」の頻度であればあまり心配はいりませんが、症状が頻繁に起きる、毎日のように起きるというのであれば、念のため医師の診察を受けることをおすすめします。

Q.ひどい胸やけによく効く市販薬はありますか?

胃液の逆流による胸やけをやわらげる薬には、主に3つのタイプがあります。

・胃粘膜保護剤
・H2ブロッカー
・PPI(プロトンポンプ阻害薬)

このうち胃粘膜保護剤と一部のH2ブロッカーはドラッグストアで購入できます。

胃粘膜保護剤は昔からある胃薬で、多くのご家庭でひとつくらいは常備されている薬です。パンシロン01、パンシロン01プラス、セルベール、液キャベコーワ、第一三共胃腸薬プラスといった商品がよく知られています。

胃粘膜保護剤は即効性がありますが、長時間の効果はなく、2時間くらいで作用が消えます。

H2ブロッカーは、胃酸の分泌を抑え、胃液の量を少なくします。

市販薬ではガスター10が有名です。

H2ブロッカーは胃粘膜保護剤に比べて即効性は劣りますが、より長時間効き目が持続します。

PPIは、H2ブロッカーとは異なるメカニズムで胃酸の分泌を抑えます。

一般的にはH2ブロッカーよりもよく効きますが、こちらは処方薬であり、医師の処方箋がないと購入することができません。

Q.胸やけに効く体操やストレッチはありますか?

残念ながら、胸やけや胃もたれに即効性のある体操やストレッチはありません。

もちろん人によっては「これをするとラクになる」という運動があるかもしれませんし、それを否定はしません。

けれども、「万人に効果のある運動はこれです」とご紹介できるものは、まだ見当たらないというのが現状です。

医学も科学の一分野です。

「この病気には、これが効く」という仮説を確かめるにはエビデンス(科学的裏付け)が必要です。

エビデンスがたくさん積み重なって定説となり、ようやく治療法として確立します。

ですから、ひとりの患者さんの「これが効いた」という事実だけでは、一般化することはできません。

ただし、胸やけや胃もたれをしにくい体をつくるための運動はあります。

いわゆる「猫背」の姿勢になると胸やけが起きやすくなりますが、これを防いで正しい姿勢を保つような運動です。

ラジオ体操を毎日やるだけでも効果があるでしょう。

「ラジオ体操を全部やるのは大変」と思う方は、とにかく猫背や前かがみの姿勢を直すことを心がけた運動を気がつくたびにやってみてください。

たとえば立った状態で両手を真上に高く伸ばし、かかとを浮かして思いきり背伸びをします。

伸びたところで息を止め、数秒間保持してから息を吐いて元に戻します。

これを何回か繰り返します。

次に腰に手を当ててゆっくり後ろに体を反らせます。

急にやるとバランスを失ってよろけたり、倒れたりしますから、気をつけてゆっくりと。

これも何回か繰り返します。

日常的に胸やけや胃もたれを起こす逆流性食道炎の原因のひとつに、横隔膜と呼ばれる筋肉の劣化があります。

食道は横隔膜を貫いて胃につながっているのですが、その隙間が大きくなってしまうと、「食道裂孔ヘルニア」と呼ばれる状態になります。

これを元に戻すために「横隔膜を鍛えればいいのでは?」と考える患者さんもいらっしゃいますが、効果のある運動は今のところありません。

【猫背や前かがみの姿勢を直す体操】

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【まとめ読み】『それ全部、逆流性食道炎です。』記事リストはこちら!

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逆流性食道炎の症状、自己対処法、診察、治療など全4章にわたって詳しく解説しています。

 

関 洋介(せき・ようすけ)
四谷メディカルキューブ「きずの小さな手術センター外科(胃・食道外科)」の臨床研究管理部部長/日本外科学会認定医・専門医・指導医/日本内視鏡外科学会技術認定医・評議員/大阪大学医学部を卒業後、同大学附属病院、医学部消化器外科を経て、豪州フリンダーズ大学消化器外科、米国ミネソタ大学外科、2009年より現職

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『胸やけ、ムカムカ、吐き気、胃痛、げっぷ・・・・・・それ全部、逆流性食道炎です。』

(関 洋介/アスコム)

逆流性食道炎を軽く考えている人もいるようですが、リスクが高いそうです。眠れなくなる、集中力が低下して仕事の効率が落ちる、声が出しにくくなる、食道がんのリスクなど、放っておくとさまざまな症状が起こるそうです。「逆流性食道炎」に関する正しい知識、症状や治療法、自己対処法など、500例ほどの手術を手掛けた外科医が患者の声をもとに「Q&A形式」で執筆したわかりやすい良書です。

 

■この本の紹介動画もチェック!

※この記事は『胸やけ、ムカムカ、吐き気、胃痛、げっぷ・・・・・・それ全部、逆流性食道炎です。』(関洋介/アスコム)からの抜粋です。
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