冬になると外出が減りがちです。暖房の効いた家で、糖質の多いおもちやみかんを食べて、運動しない生活では、体に脂肪がつき糖尿病の原因に。糖尿病についての知識を深めて予防・改善をしましょう。長年、糖尿病の治療を行っている栗原クリニック東京・日本橋の栗原毅先生に、糖尿病の診断で使われる「血糖値」と「ヘモグロビンA1c」について聞きました。
血糖値とともに重要なヘモグロビンA1c
糖尿病かどうかの判定で、血糖値と同じように重視されるのが「ヘモグロビンA1c(エーワンシー)」です。
血糖値は測定した時点での数値ですが、ヘモグロビンA1cは過去1〜2カ月の血糖の状態を示す数値です。
日常的に血糖値が高いかどうかが分かるので、糖尿病の早期発見に役立ちます。
「糖尿病になると、食後に血糖値が急上昇して下がりにくくなります。『食後血糖値』が高い人は、糖尿病を発症している可能性が高いといえます」と栗原先生。
糖尿病の診断に使われる「二つの血糖値」と「ヘモグロビンA1c」
二つの血糖値検査から糖尿病かどうかを判定
空腹時血糖値と食後血糖値によって「正常型」「境界型」「糖尿病型」に分類されまます。
※経口ブドウ糖負荷試験(10時間以上の絶食後に75gのブドウ糖を含む水を飲み、
2時間後に血糖値を測定)の数値。
出典:日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2019」を基に作成。
血糖コントロールの状態が分かるヘモグロビンA1c値
4.3〜5.5 正常 この値を目標にする
5.6〜5.9 治療の目標 食事や運動で正常値を目指します。
6.0〜6.4 境界型 食事や運動で5.9%以下を目指します。
5.6〜6.9 合併症を予防 6.5%以上で糖尿病と診断されます。
7.0〜 危険 すぐに治療を開始する必要があります。
取材・文/松澤ゆかり