ニガテを意識し過ぎてない? 「できる」ことを意識して自己評価を上げよう/イヤな自分を変える脳ストレッチ

気分が浮かない、やる気がでない、自信が持てない......こんな自分を変えたい!と思っているのに変えられないあなた。もし「目を動かすだけ」「手を動かすだけ」であなたの脳が「できる脳」へと覚醒することができたら嬉しいと思いませんか?

自分で「イヤだ」と思い込んでいるあなたの性格は、「脳を動かすこと」で変えられるかもしれません。脳科学の第一人者が教える、ラクに自分を好きになれる、そして今からできる簡単な脳覚醒法を伝授します!

※この記事は『イヤな自分を1日で変える脳ストレッチ』(加藤 俊徳/KADOKAWA)からの抜粋です。

ニガテを意識し過ぎてない? 「できる」ことを意識して自己評価を上げよう/イヤな自分を変える脳ストレッチ pixta_37324217_S.jpg前の記事「朝日を浴びる、逆の手で歯磨き、散歩。朝の3習慣であなたの脳を覚醒させろ!/イヤな自分を変える脳ストレッチ(4)」はこちら。

 

「できない」がなくなる脳ストレッチ
そのニガテ意識、ホンモノ?

「何もできない」と思いがちな人ほど、実は優秀

傍から見ているとそんなふうには見えないのに、「自分は何もできない」と思って悩んでいる人がよくいます。

このタイプの人たちに共通するのは、「自己分析が正確にできていない」ということです。自分を客観的に理解することが苦手なのです。

できないと思い悩んでいる人は、実はたいていのことを普通にこなしています。それなのに、「自分は何もできない」と思い込んでしまうのです。

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では、その原因は何でしょうか?

自己分析ができない人は、得意分野のことはまったく見ずに、自分の最も不得意な部分、最もできない部分に焦点を当ててしまうのです。

私のクリニックに相談に来る人の中でも、「できない」と言って悩んでいる人はたくさんいます。特殊な方法で彼らに自己分析をさせると、苦手なことを、得意なことの5倍ほど重要視していることがわかりました。ところが、彼らと話してみると、実はかなり優秀だったりするのです。

ある高校生は、「自分の能力は低すぎて、何もできない。もう学校をやめるつもりだ」と訴えてきましたが、よく聞いてみると、学校の成績は学年でトップクラスだということでした。優れた能力を持っているのに、自分の欠点ばかりを見てしまい、自己評価が実際より低くなってしまっているケースは多いのです。

 

たとえば、A、B、C、Dの4つのテストを受けたとしましょう。

このテストは、各100点、合計すると400点満点という形式になっています。実際に受けてみると、A~Dの間に点数のばらつきが出てくるようになります。

ここで、A100点、B95点、C90点、D75点という点数を取った高校生がいたとします。「できない」という悩みを抱えていない人は、「Aで100点を取ることができた。やった!他もそんなに悪くなかったのでホッとした」と受け止めることができます。

しかし、「自分は何もできない」と思い悩む人の場合は、Dの75点にだけ目がいってしまい、自分は75点しか取ることのできない人間だと思い込んでしまうのです。しかし、A~Dを平均すれば、90点となるわけですから、決して「できない人」ではないことは、周りから見ればすぐにわかるでしょう。


100点を取る力があるのに、そこには考えが至らず、75点しか取れない自分に失望してしまうのです。こういう人たちの脳を見ると、自己分析力や自己客観力が低いタイプの脳、つまり左脳の感情系脳番地(喜怒哀楽などの感情を表す際に関係する脳のエリア。左右の側頭葉にある海馬に接する扁桃体に位置し、それ以外に前頭葉、頭頂葉の一部も関係する。)が未熟なままになっていることがわかります。

こうした「できない」という勘違いから抜け出すためには、「できる」ことに意識を向けるように考え方を変えていくことです。

誰にでも、何かしらの成功体験があることでしょう。それを思い出して、まずは自信を持つように気持ちを変えていきましょう。

世の中で一般に「成功者」と言われている人たちは、決して完璧な人たちではありません。彼らの多くが、人生の中で成功した体験を自信として脳に染み込ませ、それを自分の強みにしてチャレンジを続けているのです。

反対に、「できない」と言って悩んでいる人は、成功体験があっても、それを自信として脳に記憶させることがうまくできていません。そのせいで、「できない」と悩んでしまうことになるのです。

自信というものは、他者と自分を比較して、自分のほうが優れているときに生じると考えている人が多いようですが、実際は、自分自身で基準を作り、その限られた枠の中で何かを達成できたときに、それを成功と自覚して自信としていくものなのです。こういう考え方ができるようになれば、自然と自信もついてきますし、その自信を得るために他人を蹴落とすようなことも絶対にしなくなります。

 

次の記事「急いで結果を求めないで。 長い目でみて「できる脳」を作りましょう/イヤな自分を変える脳ストレッチ(6)」はこちら。

 

 

加藤 俊徳(かとう としのり)

新潟県生まれ。医学博士。加藤プラチナクリニック院長。昭和大学客員教授、株式会社「脳の学校」代表。14歳のときに「脳を鍛える方法」を知るために医学部への進学を決意する。

1991年、脳活動計測「fNIRS法」を発見。現在、世界700カ所以上で脳研究に使用され、新東名高速走行中の脳活動計測にも成功。1995年から2001年まで米国ミネソタ大学放射線科MRI研究センターでアルツハイマー病や脳画像の研究に従事。帰国後、慶應義塾大学、東京大学などで、脳の研究に従事。胎児から超高齢者まで1万人以上のMRI脳画像とともにその人の生き方を分析。2006年、株式会社「脳の学校」を創業。2013年、加藤プラチナクリニックを開設。ビジネス脳力診断、発達障害や認知症などの予防脳医療を実践。著書に『イヤな自分を1日で変える脳ストレッチ』(KADOKAWA)などがある。


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『イヤな自分を1日で変える脳ストレッチ』

(加藤 俊徳/KADOKAWA)

あなたが「ニガテ」と感じていることは、本当に「ニガテ」なのでしょうか?思い通りにならずイライラしたり、自信を失くしたり、他人をうまくコミュニケーションが取れなかったり……そんな悩みの原因はあなたの「脳の使い方」かもしれません。自らの「暗黒時代」を引き合いにしつつ、脳を覚醒し簡単に悩みを軽減する方法を、脳科学者である著者が惜しげもなく伝授!「イヤな自分」が今日から変わる!悩める現代人のための脳ストレッチ教本です。

 

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この記事は『イヤな自分を1日で変える脳ストレッチ』からの抜粋です
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