最期まで密度の濃い人生を送るために必要なのは、体・食・心のバランス! 医師で作家の鎌田先生が、独自の健康法のほか、ムリせず、焦らず、昨日よりも今日を元気にする生き方の秘訣を公開してもらいました。
体を動かせば心も食も立て直せる。まずは無理のない範囲で運動を
鎌田實先生は2018年に70歳でダイエットに成功する前から、食を通じた健康管理に自信を持っていました。しかし運動については忙しさもあって、「毎年スキーをやっているので大丈夫」と過信し、食事ほどは気を使っていなかったそうです。それがアダとなって60歳代に2回もスキーで骨折。自由に体を動かせないストレスもあって体重が少しずつ増加していきました。
「食事ばかりに気をとられていたがために、体と心のケアがおろそかになってしまったことが原因だと思います」。先生は反省し、体と心と食の見直しを始めることに。
「どれからスタートするかについては、体と心と食の三つを一緒に少しずつ......というのが理想だけど、それは難しいんです。ぼくは自分の経験から運動、すなわち体を動かすことから始めることを強くおすすめしたいですね」と鎌田先生。その理由は最も簡単にできるし、効果を実感しやすいからだそう。
スクワット、かかと落としなどのエクササイズだけでなく、散歩したり、背筋を伸ばしたり、早歩きをしたり、寝る前にストレッチをするなど、ちょっとした工夫で体は効果的に動かせるようになります。また、運動がストレスホルモンの分泌を抑制し、不安やうつ的な気分を前向きに変えることは心理学の研究でも明らかになっています。そして運動をすることによって、食欲増進ホルモン(グレリン)の分泌を減らすことができます。
3つの事柄はお互いに関係し合っています!
体 体操で若返る
効果的に体を動かせば筋肉は80歳になっても、90歳になっても成長する。運動は年齢に逆行して若返るために最も有効な手段です。
心 気持ちで若返る
若い頃の自分と比べて落ち込みやすく、健康のことなどで不安になりがち。だからこそ活動範囲を広げ、そして社会とつながりを持ちましょう!
食 食事で若返る
食生活ではたんぱく質が不足しがちだが、筋肉を育てるためには必須の栄養素。手軽に食べられる食材&メニューで毎日少しずつ摂取しましょう。