世に溢れる多くの「ダイエット本」。あなたもそれらのダイエット本を読んで様々なダイエット法を試してみたのではないでしょうか。しかし、食べるのを我慢してすらやせなかったのは、あなたの腸に「おデブ菌」がしっかり棲みついているからかもしれません!
腸内環境・腸内フローラを健康に保てば、あなたも「やせ体質」になれる可能性が......!
5分で作れる「酢玉ねぎ」やヨーグルト由来の「ホエイ」などを使って健康的にやせる、画期的「ダイエット」法です。
※この記事は『1000兆匹の腸内細菌を使って10キロ楽にやせる方法 ヨーグルト・ホエイと酢タマネギが効く!』(藤田紘一郎/KADOKAWA)からの抜粋です。
前の記事「「やせホルモン」を増やす「ホエイ」は食前に飲むのがベスト/10キロ楽にやせる(10)」はこちら。
◎太った人がヨーグルトを食べると逆効果になることも
「ホエイ」は、ヨーグルトをこして簡単に作ることができますが、「時間がかかるので面倒」という方はいます。
「ヨーグルトにホエイは含まれるので、ヨーグルトをよく混ぜてそのまま食べてはいけませんか?」といったご質問を受けることがあります。
ヨーグルトはいい働きをする細菌をサポートしますので、そのまま食べてもよいのですが、「いま太り気味なので、これからやせたい」と思う方にはあまりお勧めできません。ヨーグルトには、乳脂肪分がたくさん含まれているため、お腹の脂肪に変わりやすく、血液にながれる中性脂肪で動脈硬化にもつながりやすいのです。
動脈硬化は、血管の壁の柔軟性が失われ、壁がコブのように膨らみます。壁がはがれて血のかたまりが血管をふさいでしまうと、心筋梗塞や脳梗塞に結びつくのです。太った人は、動脈硬化を起こしやすいのですが、乳脂肪分がその後押しをしてしまうのです。
実際に、ヨーグルトをたくさん食べて逆効果の結果になった人がいます。
ヨーグルトが健康に役立つことを最初に提唱したロシアの微生物学者のイリヤ・メチニコフ博士です。ブルガリアの地域で長生きの人が多い理由は、「ヨーグルトにある」との説を唱え、それを機にヨーロッパでヨーグルトが普及しました。
メチニコフ博士は、免疫系の研究で1908年に「ノーベル生理学・医学賞」を受賞しています。博士は、腸内で大腸菌が出す物質が悪者だと考えて、動脈硬化を促し、老化に結びつくと仮説を立てました。
ヨーグルトにはたくさんの乳酸菌が含まれるので、それを食べると腸内が乳酸菌でいっぱいになり、逆に大腸菌がいなくなって長生きできると考えたのです。そして、大腸菌を退治するために、自ら多量のヨーグルトを食べるようになりました。
しかし1916年、71歳の博士は、動脈硬化を伴った尿毒症で亡くなりました。尿毒症というのは、腎臓が働かなくなり、本来尿として排泄されるはずの老廃物が体内に残り、毒素となることで命に関わります。腎臓は血管のかたまりのような臓器で、動脈硬化が進むと腎機能も低下しやすいのです。
ヨーグルトには、乳脂肪分が豊富に含まれます。それは決して悪い成分ではありませんが、食べ過ぎてしまうと、動脈硬化につながる悪玉コレステロールや中性脂肪を体内で増やしてしまうのです。そのため、すでに太っている人が、ヨーグルトを食べ続けることは、あまりお勧めできません。
標準体重以下の人でしたら、ホエイを活用しても、ヨーグルトをそのまま食べてもどちらでもいいでしょう。
●ヨーグルトの乳脂肪分は食べ過ぎると、動脈硬化につながる恐れがあります
近年、店頭には「低脂肪」のヨーグルトの商品が並ぶようになりました。健康的にやせることを意識するならば、「低脂肪」のヨーグルトを選ぶのもよいでしょう。
しかし、「やせホルモン」を増強させるならば、乳脂肪分を除いたヨーグルトの上澄みだけの「ホエイ」で十分です。
私は、「ホエイ」だけを飲むようにしています。簡単に作れるものなので、ちょっとした手間を惜しまないでいただきたいと思います。