長年悩まされている「肩こり」はありませんか? それは「肩甲骨のむくみ」が隠れているかもしれません。今回は、東京医科大学 整形外科准教授の遠藤健司(えんどう・けんじ)先生に「むくみ解消のカギ "ファシア"」について教えてもらいました。
【前回:1時間に一度、背伸びをしませんか? いつでもできる「肩こりスッキリ習慣」】
ファシアは全身を覆う組織です
肩甲骨周りのファシアをゆるめて肩こりをラクに!
長時間座りっぱなしでいたり、同じ姿勢で家事を行ったりした後は、体がこり固まったように感じますよね?
実はこれ、先にお話ししたファシアという体の組織に原因があります。
ファシアは、全身を包むゆるゆるな組織。
「みかんの皮をむくと、皮と実の間に白い筋状のものがあります。この筋状のものと実を包む薄い膜を合わせた部分がファシアだとイメージしてください。ファシアが硬くなると、皮が実にくっついてむきづらくなる。つまり、筋肉や臓器にファシアがくっついてしまう。すると、体を動かしにくくなり、ぽっこりおなかなどスタイルも悪くなっていきます」(遠藤先生)。
ファシアのゆるさが失われ、動きが悪くなるのは、むくみのせいだと遠藤先生。
「同じ姿勢を長時間とり続けて筋肉を動かさない不動化と、ストレスによる自律神経の不調により血流が悪くなります。すると、水分の流れが停滞してファシアがむくむのです」。
ファシアの大敵はむくみ
ファシアは「ゆるゆる」でこそ、その役割を果たします。ですが、余分な水分がファシアにたまり、むくんだ状態になると、水分が多過ぎる状態に。むくみは筋肉を圧迫してこりや痛みを引き起こします。
ファシアの特徴
● 全身の臓器や骨、血管、筋肉などをくまなく覆っている。
● コラーゲンを多く含んでおり、"ゆるゆる"。
● 血流が悪くなると、ファシアはむくむ。
健康なファシアの断面図
むくんだファシアの断面図