糖尿病や高血圧、心筋梗塞に脳梗塞...こういった怖い病気の原因が、実は「食べすぎ」にあることをご存知でしょうか。「"ちょい空腹"が体にさまざまなメリットをもたらす」と提唱する医学博士・石原結實さんは、これら「食べすぎ病」の蔓延に警鐘を鳴らしています。そこで、石原さんの著書『やせる、若返る、病気にならない ちょい空腹がもたらす すごい力』(ワニブックス)から、人生100年時代を健康に過ごすための「食べすぎない技術」を連載形式でお届けします。
生姜をうまく使って断食の効率アップ
人参・リンゴジュースと合わせてもう1つお勧めしたいのが生姜紅茶です。
こちらも作り方はいたって簡単。
生姜をすりおろして(粉末生姜でも可)熱い紅茶に入れ、ハチミツまたは黒糖を加えれば生姜紅茶の完成です。
生姜の薬効の主役はジンゲロン(zingeron)、ギンゲロール(gingerol)、ショウガオール(shogaol)などの辛味成分です。
そして、この他にも全部で約400種類にも及ぶファイトケミカル(植物性化学物質)の薬理作用と相乗して、次のような効果があります。
1.血管を拡張して血行をよくし、体を温める。
2.血小板の凝縮力を弱めて、血栓を予防する。
3.血圧を下げる。
4.脳の血流をよくして、抑うつ気分をとる。
5.食中毒菌や肺炎球菌を殺す。
6.白血球の働きをよくして免疫力を高める。
7.発汗・解熱・去痰・鎮咳作用を発揮する。
8.痛みを軽減する。
9.消化液の分泌をよくして、消化を助ける。
10.副腎髄質からアドレナリンの分泌を促して気分を高める。
11.「アポトーシス(ガン細胞の自殺)」を促す。
12.血中コレステロールを低下させる。
13.排尿を促し、むくみや水太りを改善する。
14.糖や脂肪の燃焼を促進する。
15.めまい・耳鳴り・吐き気に効く。
16.性能力を増強する。
ちなみに、英語の"ginger"には「生姜」や「生姜で味付けする」という意味の他にも、
名詞:元気、刺激、活力、意気、軒昂、気骨、ピリッとしたところ
動詞:活気づける、鼓舞する
という意味があります。
きっとイギリス人も昔から生姜の効能をよく知っていたのでしょう。
また、生姜は我々医師が使う医療用漢方薬約150種のうち約70%に含まれていて、
「生姜なしには漢方は成り立たない」
と言われるほどの薬効があります。
生姜にはこれだけすごい力があるわけですから、朝の生姜紅茶だけでなく、昼・夕の味噌汁・納豆・豆腐・煮物・うどん・そばなどにすりおろし生姜を「旨い!」と思える量だけ入れて食べる習慣を作ってみてください。
「断食」に加えてそんな「生姜三昧の生活」をされると、なお健康によいでしょう。