糖尿病や高血圧、心筋梗塞に脳梗塞...こういった怖い病気の原因が、実は「食べすぎ」にあることをご存知でしょうか。「"ちょい空腹"が体にさまざまなメリットをもたらす」と提唱する医学博士・石原結實さんは、これら「食べすぎ病」の蔓延に警鐘を鳴らしています。そこで、石原さんの著書『やせる、若返る、病気にならない ちょい空腹がもたらす すごい力』(ワニブックス)から、人生100年時代を健康に過ごすための「食べすぎない技術」を連載形式でお届けします。
代謝アップのカギを握るのは、断食がもたらす排泄力
食べない(断食をする、空腹になる)と便の出が悪くなる、と一般的には思われているようです。
しかし、実は「食べない」ことで、大・小便の排泄はむしろよくなります。
「食べる」と飲食物の消化のために、胃や小腸に血液が集まります。
そのため、排泄臓器の大腸・直腸・腎臓・膀胱への血流は減少し、それらの臓器の力が低下して排泄が悪くなるのです。
逆に「食べない」と、胃や小腸への血流が少なくてよい分、排泄臓器への血流がよくなって、大・小便の排泄がよくなります。
口から入れた飲食物は、胃・小腸で消化されて血液へ吸収され、血流とともに全身60兆個の細胞にさまざまな栄養素を供給します。
細胞・組織・臓器の活動は、それらの栄養素を利用して行われることになります。
その活動の結果できた老廃物は、血液に集まって、腎臓や肺に運ばれて、尿や呼気として排泄されます。
この「消化・吸収→栄養素の利用→排泄」という一連の作業が、いわゆる「代謝」と呼ばれるものです。
代謝が悪くなる時は最初に「排泄」の力が低下し、次に組織・臓器で栄養素を利用する力が低下します。
その結果、脂肪などが蓄積されることになり、肥満につながっていきます。
代謝のスタートとなる「消化・吸収」は衰えることが少ないので「代謝」が低下すると糖、脂肪、尿酸などが体内に蓄積して、高血糖(糖尿病)・高脂血症(から起こる動脈硬化、高血圧・脳梗塞・心筋梗塞などの血栓症)・高尿酸血症(痛風)などの「栄養過剰病=食べすぎ病」が引き起こされます。
一方、代謝のゴールとなる排泄(排便・排尿・発汗)がよくなると、細胞・臓器での栄養素の利用も活発になります。
すると、栄養過剰になりにくくなるので、食べすぎ病の予防につながります。
つまり「断食」によって排泄がよくなると、代謝そのものがよくなるわけです。
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