良質のたんぱく質、脂質、ミネラル、ビタミンなど大豆の栄養素がぎゅっと凝縮されている、日本の伝統食材「高野豆腐」。じつは優れたダイエットフードであることをご存じですか? 高野豆腐の驚きのダイエット効果と、そのパワーを丸ごと取り込む「即やせパウダー」の作り方、活用法をご紹介。あなたも高野豆腐ダイエットにチャレンジしてみない?
※この記事は『肥満治療の名医が考案 たった2週間で内臓脂肪が落ちる高野豆腐ダイエット』(土田隆/アスコム)からの抜粋です。
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「レジスタントタンパク」で中性脂肪とコレステロールが軽減
まさに「スーパーダイエットフード」な高野豆腐ですが、そのすごさはまだまだあります。とくに注目なのが、「レジスタントタンパク」です。
テレビ番組でも紹介され、一時的に高野豆腐が品薄になるニュースも流れましたので、ご存じの方もいらっしゃるでしょう。レジスタントタンパクとは、消化・吸収されにくいタンパク質のことです。もともと大豆のタンパク質に含まれる成分ですが、高野豆腐の凍結・熟成などの製造過程で増えることがわかっています。
この特殊なタンパク質には、肝臓での中性脂肪合成を抑え、さらに腸管からの脂肪吸収も抑制することで血中の中性脂肪の上昇を抑える作用があります。その効果は、ヒトへの研究調査で実証されています(下グラフ参照)。
▼高野豆腐ハンバーグなら中性脂肪が増えにくい!
※10人に牛ひき肉ハンバーグと、牛ひき肉の80%を粗びき高野豆腐に置き換えたハンバーグを食べてもらった結果。後者の方が中性脂肪の上昇率が低い。
またレジスタントタンパクは、コレステロールからつくられる胆汁酸(たんじゅうさん)と結合して体外に排出されるため、血中のコレステロールを減らす作用があると考えられています。高野豆腐のタンパク質を添加したラットは血中のコレステロールが少なく、コレステロール代謝の活性化が見られたという報告もあります。
過剰な中性脂肪は、やがて内臓脂肪や皮下脂肪になりますし、コレステロールとともに動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中などの原因にもなりかねません。
ダイエットにも健康にも悪影響のあるこの2つを抑制・減少してくれる夢の成分。
高野豆腐には、原料である大豆のタンパク質の1.5倍以上もレジスタントタンパクが含まれることがわかっています。
内臓脂肪を燃焼し、「やせホルモン」を増やす
「やせホルモン」という、いかにも魅力的な名前の成分をご存じでしょうか?
その正体は「アディポネクチン」というホルモンです。
アディポネクチンは主に内臓脂肪の脂肪細胞から分泌され、脂肪燃焼を促進し、余分な脂肪の蓄積を防ぐ働きを持ちます。脂肪細胞から分泌されるということは、内臓脂肪が増えるほど、アディポネクチンの分泌量も増えるのでは? これが逆に、内臓脂肪が増え過ぎるとアディポネクチンをつくる機能が低下し、分泌量が減ってしまうのです。もちろん、内臓脂肪が減ればアディポネクチンの分泌量は復活します。
そこで高野豆腐。このスーパーフードに含まれる「βコングリシニン」という成分には、内臓脂肪を燃焼させる作用があるといわれ、ヒトに対する実験でもその効果が報告されています。
つまり、高野豆腐を食べればβコングリシニンの働きで内臓脂肪が減り、その結果アディポネクチンが増えて、さらにやせやすくなる相乗効果が生まれるのです。
アディポネクチンの効果は脂肪燃焼だけではありません。心臓病や高血圧、糖尿病、肥満など生活習慣病のリスクも減るといわれています。そのため、「長寿ホルモン」と呼ばれることもあります。なお、前述のレジスタントタンパクにも、この奇跡のホルモンを増やす効果があるといわれています。
【アディポネクチンを増やす食材って、ほかには何?】
●青魚(あおざかな)
アジやイワシ、サバなどに含まれるEPAがアディポネクチンを増やすといわれています。熱を加えるとEPAが溶けだしてしまうので、食べ方に注意しましょう。
●シークワーサー
シークワーサーに含まれるノビレチンには、アディポネクチンを増やす作用があるといわれています。
●亜麻仁油(あまにあぶら)
亜麻仁油に含まれるαリノレン酸には、アディポネクチンを増やす作用があります。
●トマト
トマトに多く含まれているオスモチンという食品成分は、アディポネクチンのような働きをすることがわかっています。
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