よく寝たのにスッキリしない...なんで? その答えは、「疲労回復の方法は、人によって違う」と東洋医学の第一人者である中根一さんは言います。そこで、中根さんの著書『寝てもとれない疲れをとる本』(文響社)から、あなたの正解が見つかる「疲れの正体」と「体質別の疲労回復法」を連載形式でお届けします。
あなたを「最高な状態」にする「4つの体質」と「ケア方法」
傾向で大きく分けると、ほとんどの方は「体質」「疲れ方」「効果的な疲労解消法」が、4つのタイプのどれかに当てはまります。
下のチャートでたどり着いた「木」「土」「金属」「水」が、あなたの体質のタイプ(疲労タイプ)です。
4つの体質で知るあなたの「体の個性」
チャートをたどっていくと分かれる、
・「木」タイプ(東洋医学では「肝」と呼ぶ)
・「土」タイプ(東洋医学では「脾」と呼ぶ)
・「金属」タイプ(東洋医学では「肺」と呼ぶ)
・「水」タイプ(東洋医学では「腎」と呼ぶ)
の4タイプは、東洋医学の「陰陽五行」の観点と日本の鍼灸術、そしてこれまで培った私の経験に基づいています。
実際、私の鍼灸院では、このチャートをより専門的にしたものを用いてあらゆる診察を行なっています。
また、体の中で起きる変化(=生理)は、感情の変化とリンクしています。
そのため、この疲労タイプには性格的な特徴も含みます。
体の状態を心のありようと関連づけて考える「心身一如」という考え方が、東洋医学における心と体の捉え方なのです。
ただし、この体質・性格の傾向は、固定されたものではありません。
「生まれ持った体質はおっとりした性格(=「土」タイプ)だけど、教育熱心な両親の影響で今はきっちりした性格(=「木」タイプ)」
「以前は熱血タイプの頑張り屋(=「木」タイプ)だったけど、年齢を重ねるごとに力の抜きどころがわかってきた(=「水」タイプ)」など、生活環境などによって変化したり、2つ以上のタイプが混ざることもあります。
どのタイプの方も加齢によって徐々に「水」タイプの傾向が強くなっていくことも忘れてはならないポイント。
このように、タイプごとに明確な境界はなく、状況に応じて少しずつ変化していくものなので、もし、チャートをたどってもあまりピンとくる結果にならなかった場合には、そこで導き出されたタイプ別のケアを行なっていただいた後で、もうひとつ「ピンとくる」タイプのケアも追加してみるといいでしょう。
※各タイプの詳細などは次回以降でお伝えしていきます。