「終活に全く関心がない夫や子どもにどう話せば・・・?」/高齢者から寄せられた終活の悩みQ&A

これから人生をよりよく生きるための"生き支度"といわれる終活。すでに始めている人も多いのではないでしょうか? でも、いざ始めてみると、わからないこともたくさん。終活のよくある悩みに、終活カウンセラー協会の代表理事・武藤頼胡さんが答えてくれました。

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Q 終活に全く関心がない夫や子どもにどう話したらいいですか?

A 強制は逆効果。まずはあなたが終活を楽しんでいる姿を見てもらいましょう。

終活は、自分のことを考え、よりよい今後の生き方を決めること。

行ううちに自分の大切な人、やりたいことなどを再確認でき、明るく生き生きとした自分へと変わっていきます。

そんな様子を見せれば、周囲も終活に興味を持ち始めますし、あなたに聞きたいことも出てくるでしょう。日常会話の中で「いつか話を聞いてね」「いまこんなことを考えているの」とさりげなく伝えておくことも第一歩に。

終活の話題で夫婦や親子がけんかになることも多いですが、それもお互いが元気に生きているからこそ。そんな状況に感謝しながら、楽しく終活する姿を見せてあげてください。

Q 周りに詳しい人がいません。誰に相談したらいいですか?

A 地方自治体のほか、生命保険会社や銀行などでもサポートしてくれます。

終活を進める中で、相続や贈与の制度など知らないことにも直面しますが、放置せず、相談することが重要です。

税理士や弁護士、司法書士などを知らなければ、市区町村の役所や税務署の相談窓口のほか、生命保険会社や証券会社、銀行や郵便局などの金融機関も相談に乗ってくれます。

お金の問題だけでなく、エンディングノートを配布したり、葬儀の生前契約をサポートしたりする市区町村も増えつつあります。

自分一人では決められないことも多いので、家族に相談するのもよいでしょう。自分の思いを話すことが、家族一緒に終活に向き合うきっかけにもなります。

Q 遺言書って本当に必要? かえってトラブルになったという友人もいるのですが...。

A あった方がいいのは間違いないですが、真っ先に書く必要はありません。まず、ほかにできることから進めて財産や自分の意思を把握しましょう。

遺言書はエンディングノートと同じく、終活の一つの道具。相続を円滑に行うために100%書いた方がいいですが、まず、できることから進め、ある程度の現状を把握しましょう。残せる財産や家族への思いをよく整理せずに書くと失敗のもととなります。

遺言書には「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」があります。前者は手紙のように気軽に書けますが、正式な遺言書として認められない場合もあり、逆に相続争いに発展する場合も。

後者は公証役場で公証人に作成してもらう確実なものです。どの方法でも、効力を正しく発揮させるためには専門家に相談を。弁護士や税理士、司法書士などがサポートしてくれます。

取材・文=笑(寳田真由美) イラスト/石坂香

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<教えてくれた人>

武藤頼胡(むとう・よりこ)さん

終活カウンセラー協会 代表理事。明海大学ホスピタリティツーリズム学科外部講師。「終活」についての大切さを伝えるため、毎月巣鴨、浅草でアンケートを実施中。著書に『こじらせない「死に支度」』(主婦と生活社)。

この記事は『毎日が発見』2019年10月号に掲載の情報です。

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