介護の審査で罪悪感。「何でもわかる言うたらアカンのやな」って言ってたのに.../先に亡くなる親とアドラー心理学

病名がはっきりすることにはメリットがあります。

医療側でいえば、治療法を決めることができます。

認知症にもいろいろな種類があって、誤診し、誤った対処をすればよくなるものもならないということがあります。

介護する側にもメリットがあります。

認知症でなくても、熱が出たり頭痛が起こった時に、それが原因不明ではなく、どんな病気から由来するものであるかがわかれば、徒に心配する必要はなくなります。

もとより、治療が困難であることが明らかになれば、いよいよ不安になるでしょうが、原因がわからないよりははるかに気持ちは楽になります。

また、認知症であると診断されれば、それまではただ困った行動をするとしか見えなかった親を違ったふうに見ることができます。

親の不可解な行動が実は認知症によるものであることがわかれば、そのことで親の行動が改善するわけではないとしても、親を許せる気になります。

実際には病気だからと、簡単には割り切ることはできませんが。

しかし、どんな病気に由来するのであれ、症状が問題であることに変わりません。

それでは、症状が脳の病変によるのであれば、家族は何もできず、親の行動をただ手をこまねいて見ているしかないのでしょうか。

家族にも何かできることがないか考えてみなければなりません。

【次回】毎日イライラ・・・でも続けなきゃ。「親の介護」を一人で抱え込む前に/先に亡くなる親とアドラー心理学

【まとめ読み】『先に亡くなる親といい関係を築くためのアドラー心理学 』記事リスト

介護の審査で罪悪感。「何でもわかる言うたらアカンのやな」って言ってたのに.../先に亡くなる親とアドラー心理学 172-c.jpgアドラーが親の介護をしたら、どうするだろうか? 介護全般に通じるさまざまな問題を取り上げ、全6章にわたって考察しています

 

岸見一郎(きしみ・いちろう)
1956年、京都府生まれ。哲学者。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学(西洋哲学史専攻)。著書は『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』(古賀史健氏と共著、ダイヤモンド社)、『老いた親を愛せますか?』(幻冬舎)、『老いる勇気』(PHP研究所)、『幸福の条件 アドラーとギリシア哲学』(角川ソフィア文庫)など多数。

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『先に亡くなる親といい関係を築くためのアドラー心理学 』

(岸見一郎/文響社)

介護に勇気を与えてくれるアドラー心理学! 親の尊厳は保ちたいけど、介護に忙殺されるのもつらい…。親の介護が必要となったとき、それまでとは違った「親子関係」を築いていくことになります。じゃあそれって、いったいどんな関係がいい? 自身の介護経験を基にアドラー心理学の探究者が、介護に起こるさまざまな問題を“哲学”していきます。

※この記事は『先に亡くなる親といい関係を築くためのアドラー心理学 』(岸見一郎/文響社)からの抜粋です。
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