家にいる時間が長くなって、老後のことも考えると頭に浮かんでくる「自宅のリフォーム」。とはいえ、いったい何から始めればいいのか...となかなか手を付けられませんよね。そこで、6万件以上の実績を持つリフォーム会社社長の著書『住宅リフォームを考えたら必ず読む本』(二宮生憲/あさ出版)から、後悔しないために知っておきたい「リフォームのポイント」をお届けします。
パートナーと考えていただきたい
リフォームの現場で、お客様と職人さんたちが和やかに挨拶されているのを見掛けると、工事がうまくいっていると安心します。
それとは反対に時折、職人さんに対して上から目線の言葉をかけるお客様がいるととても残念に思います。
大きな工事ではとくにお客様にご不便をおかけし、生活が普段とは大きく変わってしまいます。
しかし、着工前にも詳しく説明して、了解していただいたにもかかわらず、工事中の不便さに対しての不満を、傲慢な態度で、担当の営業や現場監督に対して叱責する方についてはいかがなものでしょうか。
また、現場の作業で職人さんの作業着も汚れ、家を汚されるのかと心配する方もいるでしょう。
そのときはすぐに着替えるように現場監督も指導します。
お客様の喜ぶ顔が見たくて、現場監督も職人さんも一生懸命に工事をしています。
現場でお客様から「ご苦労様」「お陰できれいになったよ」など労いの言葉をかけていただけると、どれほど彼らの励みになるでしょう。
彼らは「もっときれいに」「もっと丁寧に」と考えるに違いありません。
お付き合いは完成後も続く
リフォームはお客様の協力なしにはよい工事はできません。
また、ご協力いただけないと結局いちばん困るのはお客様自身になります。
なぜならその現場が無事にお客様も文句のない結果で竣工したとしても、その後はおのずと担当の営業や現場監督の足が遠のいてしまう恐れがあるからです。
実はお付き合いは工事中より、終わってからのほうが長いのです。
何か住宅にトラブルがあった場合はすぐに駆けつけて対応してもらうことになります。
実際にあった話です。
夜遅くに帰ってきたらマンションの水道管から水が噴き出し、「止め方がわからない」という連絡が担当の営業の携帯に入りました。
夜中の12時頃ですから、寝ていてもおかしくない時間です。
「失礼な格好になりますが、急いで出ます」と承諾をいただき、15分で現場に。
水道の止水栓を締めて一晩。
翌朝一番に水道業者に来てもらい一件落着しました。
この件はお客様とよい関係が築けている例だと思います。
工事が終われば付き合いは終わりではないのです。
そのためにも私たちリフォーム会社はお客様とは常によい関係を作っていきたいと考えています。
「世の中お互い様」という気持ちが大事
最近、突然「リフォームしたいから今すぐに自宅へ見に来てほしい」とお電話をいただくケースが多く困っています。
毎日の営業の予定は1週間、遅くても2~3日前には決まっています。
緊急時は別ですが、急に「自宅のリフォームをするので今から現地調査に来てください」と言われてもできかねます。
すぐには無理だとお断りすると、なかには「今すぐ来たら契約するが、契約してほしくないのか?」との言葉であきれてしまいます。
「申し訳ございませんが、すぐに対応してもらえる会社を探してください」とお伝えすると怒って電話を切られます。
このような方が時々はいらっしゃいます。
よく「今の若い人は」との言葉を聞きますが、相手の都合も聞かず、自分の都合ばかりを主張されるのは年配の方に多い傾向があります。
「世の中お互い様」という気持ちで行動しないと身勝手な社会になってしまいます。
どんな場合でもお互いに礼儀と節度はきちんとわきまえて、行動や言動に配慮していきたいものです。
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全6章にわたって、自宅のリフォームをするために確認した方がいい「27個の質問と答え」がまとめられています