「最近疲れが取れにくくて...」。そんな人は「ごま」を取り入れてはいかかでしょう? ごまには、高い抗酸化力がある「ゴマリグナン」が含まれています。その成分に注目し、いつもの料理に手軽に取り入れるだけの「ごま生活」を新提案する医師の伊藤明子さん。その伊藤さんの著書「医師がすすめる抗酸化ごま生活」から便秘改善や免疫力アップなど「食べて若々しく過ごすコツ」を紹介します。
「抗酸化ごま」が「酸化」と「糖化」に効く理由
いますぐケアしたい、酸化と糖化。
このふたつに対抗するためにぜひおすすめしたい食材こそ、「抗酸化ごま」です。
なぜかというと、抗酸化ごまには、セサミンをはじめとする抗酸化物質がたっぷり含まれているから。
では、抗酸化物質はなぜ酸化と糖化に効くのでしょうか?
まず抗酸化物質とは、「酸化を抑える力を持った物質」のこと。
一方、酸化を引き起こす物質は、活性酸素とフリーラジカルです。
・活性酸素......酸素が体内でさまざまな分子と結びつき、高い酸化力を持つ酸素に変わったもの。
・フリーラジカル......体内の安定した分子はふたつで対になった電子を持っています。
一方、ひとつだけ離れて対になっていない電子を持つ不安定な分子がフリーラジカルです。
呼吸や運動、食べ物をエネルギーに変えたときなどに自然に作られます。
これらに対して、抗酸化物質は「活性酸素やフリーラジカルの酸化力を抑える」「活性酸素やフリーラジカルの発生自体を抑える」「酸化によって受けた細胞の損傷を修復する」といった働きをするのです。
さらに、この抗酸化物質の働きは、糖化を抑えるのにも効果的です。
糖化によってAGEsがつくられる過程には、酸化が関わっているからです。
糖化の過程を細かく説明すると、結びついた糖とたんぱく質は、まず「アマドリ化合物」という物質になります。
いわば、AGEsの一歩手前の物質です。
このアマドリ化合物が、活性酸素やフリーラジカルによる酸化、さらに脱水といった化学反応を経ると、初めてAGEsに変わります。
つまり、酸化が起きなければAGEsはできないということなのです。
このことを知ると、抗酸化物質が酸化だけでなく糖化にも効くということが、よくおわかりいただけるでしょう。
細胞の入れ替わりを促進し、「なぜか若く見える人」になる!
同年代で集まったとき、なぜか飛び抜けて若く見える人がいませんか?
その若さは、「抗酸化力」がしっかり働いている証拠です。
私たちの体は、生命を維持するための体内活動を行うかわりに、あらゆる部分で少しずつ老化が進んでいくもの。
これを抑えてくれる力が、抗酸化力です。
ゴマリグナンをはじめとする抗酸化物質が詰まったごまは、高い抗酸化力を持つスーパーフード。
ごまを毎日とることは、まさに「健康長寿」につながるアクションといってよいでしょう。
抗酸化力の高いごまは、病気予防だけではなく、美しい肌や髪を保つなど、美容面のアンチエイジングにも効果が期待できます。
抗酸化力が働くと、「新陳代謝」という細胞の入れ替わりのサイクルも正常に保たれるからです。
肌のターンオーバーや、炎症や傷などのダメージ修復が、適切に行われるようになります。
加えて、たんぱく質やビタミン、ミネラルといった、美肌に欠かせない栄養素を豊富に含んでいるのも見逃せないポイント。
ごまの油分である不飽和脂肪酸も、肌や頭皮のうるおいバランスを良好に保つのに効果的です。
このような素晴らしいパワーを持つごまですが、今日食べて明日いきなり若返るというわけにはいきません。
大切なのは、コツコツ続けること。
日々、体内で起こる酸化と糖化をきちんと抑え続けてこそ、同年代との差が大きくついてくるはずです。
【その他の抗酸化力が高い食材たち】
スパイス・ハーブ類
もともとハーブは西洋では薬として利用されていたことがあるほど、高い抗酸化作用をもちます。
スパイス類も「生薬」として知られるものが多く、料理に使う際には風味づけとなるので、塩分を控えられるという利点もあります。
フルーツ
フルーツのなかでもとくに、アサイーベリー、クランベリー、ブルーベリーといったベリー系の果実は、非常に高い抗酸化力があります。
とくに皮にはポリフェノールがたっぷりと含まれているため、よく洗って皮ごと食すのがおすすめです。
ナッツ類
抗酸化作用が高いナッツ類のなかでも、本書の「抗酸化アーモンドごま」で使用しているアーモンドやくるみには、とくに豊富な抗酸化物質が含まれています。
その他
ココアパウダー、ブルーベリー、コーヒー、抹茶などの色の濃い食品は、ポリフェノールがたっぷり含まれていて抗酸化作用が高いといわれています。
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医師が考案した6種の食材を混ぜた「抗酸化ごま」の紹介からごまを使った45のレシピまで4章に渡って丁寧に解説されています