「最近疲れが取れにくくて...」。そんな人は「ごま」を取り入れてはいかかでしょう? ごまには、高い抗酸化力がある「ゴマリグナン」が含まれています。その成分に注目し、いつもの料理に手軽に取り入れるだけの「ごま生活」を新提案する医師の伊藤明子さん。その伊藤さんの著書「医師がすすめる抗酸化ごま生活」から便秘改善や免疫力アップなど「食べて若々しく過ごすコツ」を紹介します。
いつもの料理にかけるだけ!がんばりいらずで毎日「抗酸化」
ごまはほかに類を見ないほど、毎日の食事に取り入れやすいスーパーフードです。
まず、手に入りやすいこと。
近所のスーパーなどに行けばすぐ見つかりますし、お値段もお手頃なので、毎日続けても家計の大きな負担にはなりません。
また、調理も簡単。
そのままふりかけたり、あえたり、混ぜたりするだけでいただけます。
いろいろな食材と組み合わせやすく、独特の香ばしい香りやコクでお料理もおいしくなり、主食からおかず、おやつまで、アイデアしだいでバリエーションが広がります。
お子様をはじめ、ご家族の好き嫌いの心配も少ないでしょう。
クリニックの食事指導でも、食べやすく手軽なごまはとても重宝しています。
酸化や糖化は、私たちの生命活動の副産物として毎日起きていることですから、抗酸化力・抗糖化力のある食材も、毎日とることが大切です。
だからこそ、「特別にがんばらなくとも毎日続けられる」ごまは、人生「120年」時代のスーパーフードなのです!
【基本のごまは3種類!】
皮の色の違いで風味も変わります
白ごま
世界各地で生産されている、もっともポピュラーな品種。
黒ごまより脂質の量がやや多いため、ごま油の原料としても使われています。
マイルドな風味と色合いで、さまざまなお料理に合わせやすいごまです。
金ごま
明るい黄金色の外皮からこう呼ばれます。
ごまのなかでも際立って香り高く、コクも豊か。
希少な高級品として、懐石料理などに多く使われるごまです。
トルコ産が有名ですが、近年は国産も増えています。
黒ごま
お料理のアクセントになる外皮の黒色は、アントシアニンという抗酸化物質によるもの。
わずかな差ながら、ほかのごまより抗酸化力が期待できます。
香りが強い一方、脂質は少なくあっさりした味わいです。
ひと粒に「抗老化」パワーがぎっしり!セサミンのすごい力
ごまが「すごい!」といわれる理由は、ごま特有の成分「ゴマリグナン」にあります。
ごまひと粒のうち1%ほどの微量成分ですが、その中に健康パワーがぎゅっと詰まっているのです。
代表的なものが、「ごまの栄養素」「若々しさをサポートする」としてよく知られるセサミン。
じつはゴマリグナンの成分のひとつで、なかでもとくに含有量の多い物質です。
このセサミンをはじめとするゴマリグナンには、高い抗酸化力が認められており、次のような働きを持つことがわかっています。
・ 細胞の炎症を抑える......ここでいう「炎症」とは、皮膚が赤くかぶれたりすることではなく、体内の細胞が「炎症性物質」を分泌することです。炎症が起きると、細胞や、細胞核の中のDNAが傷つけられ、あらゆる病気の原因になりますが、ゴマリグナンにはこれを抑える「抗炎症作用」を持つ成分があります。
・ 肝臓を保護する......セサミンは、肝臓まで届いてから抗酸化物質に変わり、肝臓を保護する働きがあります。
・ 抗がん作用......細胞の異常増殖やがん細胞の転移を抑えたり、異常を起こした細胞のアポトーシス(自滅)を促したりする作用があります。
小さなひと粒ひと粒のなかに、これだけのパワーを秘めている食材はごまだけでしょう。
【ゴマリグナンの主要成分】
セサミノールグルコシド
水溶性。体内に入ると、酵素の作用でセサミノールに変わり、抗酸化性を持つようになる。
セサモリン
脂溶性。セサモリン自体に抗酸化性はないが、焙煎、精製の過程でセサモール、セサミノールに変わり抗酸化 性を持つようになる。
セサミン
脂溶性。セサミン自体に抗酸化性はないが、肝臓まで届くと抗酸化物質に変わる。
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医師が考案した6種の食材を混ぜた「抗酸化ごま」の紹介からごまを使った45のレシピまで4章に渡って丁寧に解説されています