「最近疲れが取れにくくて...」。そんな人は「ごま」を取り入れてはいかかでしょう? ごまには、高い抗酸化力がある「ゴマリグナン」が含まれています。その成分に注目し、いつもの料理に手軽に取り入れるだけの「ごま生活」を新提案する医師の伊藤明子さん。その伊藤さんの著書「医師がすすめる抗酸化ごま生活」から便秘改善や免疫力アップなど「食べて若々しく過ごすコツ」を紹介します。
セサミンを筆頭とする抗酸化成分で酸化と糖化をダブルで抑える
病気と老化を遠ざけ、いつまでも元気に、若々しくいる。
そのために必要な抗酸化・抗糖化対策として、私が提案するのが、「ごま」を食事に取り入れることです。
ごまの中には、「抗酸化力」「抗糖化力」がぎゅっと詰まっているからです。
最近、とくに注目されているのが、「セサミン」というごま特有の成分。
セサミンは、体内に吸収されると肝臓の代謝を活性化させ、高い抗酸化作用を持つようになることが知られています。
さまざまなメーカーからその名を冠したサプリメントが発売されていますので、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
ただし、ごまの抗酸化物質はセサミンだけではありません。
じつは、ごまにはセサミンのほか、セサモリン、セサミノールといった成分が含まれており、それらは総称して「ゴマリグナン」と呼ばれています。
ごまひと粒にわずか1%しかない微量成分にもかかわらず、高い抗酸化作用を持つゴマリグナンには、ごまのパワーが凝縮されているといっても過言ではありません。
そして、そのゴマリグナンのもっとも多くを占める成分がセサミンなのです。
そのほかに、抗酸化ビタミンとして知られるビタミンEの仲間である「ガンマトコフェロール」も含まれており、これらの抗酸化物質が、活性酸素を取り除いたり、フリーラジカルを消去したりして、細胞の酸化を抑えてくれます。
また、活性酸素を取り除くことは、糖化を抑えることにもつながります。
AGEsがつくられる過程には、活性酸素が関わっているからです。
つまり、抗酸化物質を含むごまを食べれば、糖化の加速も抑えられるということ。
加えて、ごまにはたんぱく質や食物繊維も含まれているので、消化速度をゆるめて血糖値が急激に上がるのを防いでくれる効果もあります。
「抗酸化ごま」でよりおいしく!抗酸化力もパワーアップ!
このように、とてもパワフルなごまですが、いちばんのメリットはなんといっても「続けやすさ」です。
私は普段、クリニックで患者さんに食事指導を行っていますが、どんなに健康効果の高い食材やメニューであっても、調理に時間がかかったり、高価だったりするものはおすすめしていません。
そうした意味で、ごまはとても優秀な食材。
さっとふりかけたり、混ぜたりするだけでいいので調理の手間いらず。
マイルドな風味でどんなメニューにも合わせられ、料理をおいしくできるのも魅力です。
しかも、スーパーで手軽に買えて、お値段もお手頃。「すりごま1日大さじ2杯分」で、約30円程度です。
そこで私は考えました。
「ごまの持つ抗酸化力・抗糖化力を、もっともっと高めて、多くの人に届けたい」
「よりおいしく、楽しくごまを食べる方法はないものだろうか」
そうしてたどりついた答えが、6つの「抗酸化ごま」です。
ビタミンEとの相乗効果で抗酸化作用がアップする「アーモンドパウダー」を筆頭に、「かつおぶしパウダー」「桜えびパウダー」「きなこ」「みそ」「しそ」をすりごまとミックス。
すごくおいしい! 6つの抗酸化ごま
すりごま大さじ1杯約8gあたりの推定セサミン量=約32mg
(一般的なセサミンサプリの1日分の目安量に含まれるセサミン量は10〜30mg)
すりごま
+
アーモンドパウダー
OR
かつおぶしパウダー
OR
桜えびパウダー
OR
きなこ
OR
みそ
OR
しそ
筋肉づくりや骨の強化、アンチエイジング、降圧効果など、さまざまに抗酸化力を高めながら、味わいもバラエティ豊かにそろえた抗酸化ごまを毎日食べ続け、日々、体の中から酸化と糖化を遠ざけていれば、120歳まで元気な体をつくることも夢ではありません。
さあ、抗酸化ごまの世界へようこそ!
手軽に料理に取り入れて「抗酸化ごま生活」の【まとめ記事リスト】はこちら!
医師が考案した6種の食材を混ぜた「抗酸化ごま」の紹介からごまを使った45のレシピまで4章に渡って丁寧に解説されています