何年も着ないままの衣類、棚の奥にしまい込んだままの引き出物の食器...。それらを片付けることで、同時に社会貢献ができると注目されているのが、「片付けで子どもを救おう古着ボックス(以下、古着ボックス)」と、「片付けで給食を届けよう台所ボックス(以下、台所ボックス)」です。
古着ボックスには古着や服飾雑貨を、台所ボックスには鍋や食器などを詰めて送ると(不良品・壊れ物を除く)、それが開発途上国で再利用されます。さらに前者は開発途上国の子どもたちにポリオワクチンを、後者は給食を届けることができます。実際に読者のお二人がボックスを使用し、使い心地を検証してみました。
読者が試して本音でレポート!「商品テスト」
採点します
片付けで子どもを救おう「古着ボックス」(強化紙袋つき) 2,980 円(税込)
セット内容/専用強化紙袋(縦45×横50×高さ71㎝※利用時の高さ約45㎝)、お礼状、1,000円お買物割引券、専用着払い伝票
片付けで給食を届けよう「台所ボックス」(段ボールつき)3,600 円(税込)
セット内容/専用段ボール箱(段ボールサイズ/縦46.5×横30×高さ28.5㎝)、お礼状、2,000円お買物割引券、専用着払い伝票
こんな商品です
不要品を詰めて送ることで、開発途上国の子どもたちにポリオワクチンや給食を届けられるキットです。佐川急便が玄関まで回収に来てくれるので、重い荷物を運ぶ手間がかかりません。古着ボックスには1,000円分、台所ボックスには2,000円分の毎日が発見ショッピングで使えるお買物割引券が付きます。
お買物割引券は、ご購入合計金額が古着ボックスは8,000円(税込)以上、台所ボックスは10,000円(税込)以上で利用可。
人気の理由
・宅配便のやりとりなので 楽にできる
・開発途上国の子どもを 救うことができる
・お買物割引券がもらえる
古着ボックスをテスト
「広げてみると大きさにビックリします」
テストする読者:畠中亜紀さん(50歳)
神奈川県在住。舅、夫、高校2年生の息子との4人家族。買い物が好きで、 古いものもなかなか捨てられない。
①不要品を入れてみました
強化紙袋の大きさに驚いた畠中さん。「でも、かさばる冬服もすんなり入れることができました。長さのあるロングブーツも詰めることができたのはこの大きさならでは」。しかし詰めるほどに重くなるので注意。「例えば2階で詰めてしまうと、1階まで運ぶのが大変。玄関の近くで詰めた方がいいです」
結納に着たセットアップ
「夫と結婚する際の結納に着用。思い出が詰まっていて捨てられません」
しまい込んでいたカットソー
「取っておいたけれど肩パッドが入っていて流行とは合わなくなりました」
未使用のベルト
「持ち服には合わなくて使わないまま保管していたベルトが大量に...」
思い出の革ジャン
「20代のころに購入。高価だったので着ないけれど保管していました」
お気に入りのニット
「発色の良いきれいな赤色がお気に入りで、手放せませんでした」
冬物衣類に加え、バッグ、ロングブーツ、ベルトなど総計16点が入りました。
②送ってみました
「宅配便引き取りだから、大きいけどラク」
強化紙袋の口をガムテープで留め、専用着払い伝票を貼ったら準備完了。女性1人では持ち上げるのが大変なくらいの重さになった袋。「玄関までズリズリと引っ張って運びました(笑)。でも電話1本で佐川急便さんが玄関まで取りに来てくれるので、その後はとてもスムーズでした」
台所ボックスをテスト
「大きい物が多いから詰め方が重要ですよね」
テストする読者:福島佳江さん(55歳)
神奈川県在住。数年前から社会人の次女と二人暮らしに。仕事はフリーランスのインテリアコーディネーター。
①不要品を入れてみました
「取っ手がグラグラしている鍋など、使えない物は入れないようにし、いただきものを中心に詰めました」という福島さん。台所用品はかさばるものが多いため、梱包にはコツが必要だったようです。「蒸し器の中に器を入れてコンパクトにしました。箱入りの物はそのまま詰め、それ以外は割れないように緩衝材に包みました」
引き出物の小皿
「結婚式の引き出物にいただき、使わずしまい込んでいました」
いただきもののスープカップ
「別に愛用しているカップがあったので、未使用のままです」
娘のオーバル皿
「くじで当てた、娘の好きなキャラクターのお皿です」
使わなくなった蒸し器
「いまは次女と2人なので、最近は出番がなくなっていました」
②送ってみました
「不要品がなくなり、心も家もスッキリ」
これまでは不要な器はゴミとして処分していたため、収集日に合わせるのが面倒だったそう。「未使用で捨てられなかった物もリサイクルしてもらえる上、重量があるから引き取りに来てくれるのが便利ですね」と福島さん。送った後は、2,000円分のお買物割引券を何に使うかが楽しみに。
古着ボックス・台所ボックス
商品テストの結果発表
社会貢献できることが片付ける気持ちを後押し
――使用して良かった点は?
畠中 思い出深い物や購入時に高かった物はなかなか捨てられませんでした。でも、〝開発途上国の子どもたちのためになる?と思ったら手放すことができました。
福島 そうですよね。リサイクルショップだと二束三文ですが、娘も「寄付になるなら」とお気に入りのお皿を手放すことに同意してくれました。
――使いづらい点はありましたか?
福島 容量によって、ボックスのサイズを選べるといいですね。もう何点か入れたかったのですが、あきらめた物もあります。
畠中 古着ボックスは強化紙袋の閉じ方が分からず、コールセンターに電話。ガムテープで留めればOKですと教えてくれました。
――使用後、何か変化は?
福島 収納棚に余裕ができ、冷蔵庫の上に置いていたものを収めることができました。代わりにグリーンを飾ろうか
な、なんて心の余裕も出てきたりして(笑)。
畠中 私は物を捨てられない性分で。今回を機に、60代、70代の自分を想像したりして、この先本当に必要なのかということを考えられるようになりました。これからの買い物に役立てたいですね。
「今後の買い物の仕方を考えるキッカケになりました」
「子どもたちのためにと思うと捨てる覚悟ができます」
採点表
分かりやすさ ★★★★☆
佐川急便が玄関まで荷物を取りに来てくれる点が、リサイクルショップを利用したりゴミに出したりすることと比較して便利と高評価。
また使いたいか ★★★☆☆
畠中さんは古着ボックス、福島さんは台所ボックスの再度の利用を希望。「数年ごとの所持品の整理に使いたい」(畠中)。
適正価格か ★★★☆☆
輸送費とお買物券が含まれていることで、少し高値に設定され、お得感はやや低め。でも海外で再利用され、さらに「子どものワクチンや給食になることに価値が感じられた」(福島)。
取材・文/岸上佳緒里 撮影/齋藤ジン