60代が確実に仕事に就ける⁉ 働きたいシニアへのサポート体制を調べてみた/ちょこっと稼ぐコツ

60歳をすぎても、「今日行くところ」と「給料日」がある......これって思った以上に幸せなこと。趣味に、おけいこに、交友関係にと、老いの時間を豊かに生きるためには毎月ちょこっとでも現金が必要。「年金だけでは暮らせない」と不安に怯えるよりも、仕事を探して働きませんか。いきいきと働くシニアに取材して、仕事を得るノウハウや、自分らしく働き続けるコツを、実例を交えてご紹介します。

※この記事は『65歳で月収4万円。 年金をもらいながら ちょこっと稼ぐコツ』(阿部絢子/KADOKAWA)からの抜粋です。

pixta_42395627_S.jpg前の記事「家事・育児も立派なキャリア!経験を活かせる仕事も/ちょこっと稼ぐコツ(9)」はこちら。

 

55歳以上への支援も手厚く

東京しごとセンターでは、55歳から働きたいシニアの支援を数多く行っています。サポート内容を調べてみました。

(1)就業相談・職業紹介
働きたい人に対して、求人状況・求職活動のポイントのアドバイスや相談など、仕事に関するきめ細かい対応を行います。例えば、求人ファイルの見方・選び方、書いた履歴書へのアドバイス、職歴に合わせた職業の相談や紹介をするといったことです。ここで働くアドバイザーにも、書類選考・面接を受けて採用された、定年を過ぎて働いている方もいますから、親身になって相談に応じてくれます。

(2)キャリアカウンセリング
働きたい人が、求職活動の方向性がなかなか決まらずに、迷っている場合。あるいは、仕事探しに関するいろいろな問題を解決できない場合。例えば、探し方がわからない、職種が絞れない、これまでの職歴に縛られている、パートかフルタイムにするか悩んでいるなどについて、キャリアカウンセラーが相談に乗り、問題点の整理を手伝い、一緒に考えてくれ、就職活動に向けたサポートをしてくれる、ということです。地道にパートを探していても、一人では解決できないことも出てきます。そんなとき、こうしたサポートの人がいてくれると、客観的な視点から手を差し伸べてくれますので、心強い存在です。

(3)求職活動支援セミナー
55歳以上の働きたい人たちが、職業に就くのに役立つセミナーを開いています。セミナー内容には、毎週開催している「履歴書の書き方」「職務経歴書の書き方」「求人の見方・探し方」「面接のポイント」、月1回の「職務経歴書の棚卸し体験」「面接のロールプレイング」などがあります。

これらのセミナーを受講した方からのメッセージには、「履歴書も書き方で印象が違うとわかり、いままで損をしていた気がする」「書類選考での落選経験から、職務経歴書の書き方を受講した。とても参考になった」「面接は普段通りの態度で臨めばいいと思っていたが、認識を改めました」「インターネット検索が参考になった」などの声が寄せられています。これらのセミナーは、東京しごとセンターに登録すれば、無料で受けることができます。

ここぞ、という職種が見つかったら、ぜひ受けてみるといいのではないでしょうか。得すること、間違いなしです。

(4)公開セミナー
その他に不定期ですが、公開セミナーを開催しています。

「シニアの就活スタートセミナー」
55歳からの仕事にはどんな内容のものがあるか、一般的な賃金はどれくらいか、就職活動と就職実績の全体像を話します。

「50歳から始める仕事と人生の再設計」
定年後の再就職に向けた現状理解と自己啓発の活動の仕方、貯蓄や年金、生活収入など50代から始める早期の取り組みについて話します。

「定年退職後の働き方を考える」
定年後、心身ともに安定した生活を送るため、いまからできる準備の仕方、ポイントなどを伝えます。

 

60代が確実に仕事に就くための仕組みもあった

日本人の4人に1人が65歳以上である現在、60代の人たちの存在は極めて大きいと、各方面で認められています。シニアパワーはまだまだ光を放つことができる、だからこのパワーを活かして最後まで輝き続けたい、と思っている人も多く、そのためのバックアップ体制も整ってきました。その一つが先にも紹介した「東京しごとセンター」で、確実に仕事に就くためのセミナーや講習会を多数開催しています。

講習会は「高年齢者のための就職支援講習」と題して、55歳以上を対象にしています。講習期間は、コースにより違いますが、7~30日間と短く、募集期間と定員数を限定して開催する、短期就職前準備講習です。

知識だけでなく、技術まで得ることができ、さらには講習終了後に、関連企業へ就職をすることを目的としています。資格は欲しいけれど就職しない人は対象外となっていますから、センターでは確実に就職してほしい、と願っているのです。

募集後に、コース説明会、第一次選考の体力測定、そして第二次選考の面接があります。この選考に合格した人が、希望するコースの講習を受けることができるというわけです。

2015年度には、ビル清掃スタッフ、ケアスタッフ(介護初任者)、実践的ヘルパー(介護初任者)、保育補助員、駐車場スタッフ、マンション管理員、マンション清掃スタッフ、植木職アシスタント、施設警備スタッフ、病院食調理アシスタント、調理業務アシスタントの11のコースが実施されています。年度によってコースの内容は変わるとのこと。

このコースを受講した人からのメッセージが掲載されていました。
「保育園の調理補助として楽しく頑張っております。『調理業務アシスタント講習』のおかげで、安全衛生ほか、調理の流れも勉強できたので、スムーズに現場に入ることができました」とあります。いきなり仕事に就くのと、基礎を学んでから就くのとでは、大いに違うということでしょう。

私が東京しごとセンターに行った日は、ちょうど「高年齢者 就職面接会」が開催されていました。参加企業は約10社、仕事内容は、マンション管理員、営業、設備管理、調理補助、清掃、警備などでした。みなさん、時間に遅れまいと、面接申し込み希望者が次々と会場へ吸い込まれていました。

東京しごとセンターは、面接のチャンスまでも設定していて、確実に仕事に就く仕組みがあったのです。それは、55歳以上を支援している東京しごとセンターならではでしょう。仕事を探している人は、ここに一度、足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

阿部 絢子(あべ・あやこ)

1945年新潟県生まれ。生活研究家。洗剤メーカー勤務を経て、百貨店の消費者相談室に30年間勤務し、現在に至る。家事研究の第一人者として、食・掃除・洗濯・整理収納・片付けから環境問題まで。生活全般にわたる豊富な知識と実践的なアドバイスは幅広い世代から支持されている。近著に『老いの片付け力』『60代の生き方・働き方』(共に大和書房)がある。

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『65歳で月収4万円。 年金をもらいながら ちょこっと稼ぐコツ』

(阿部絢子/KADOKAWA)

年金暮らしは、なんと人生の3分の1を占めるほどの長さ。「年金だけでは暮らせない」と不安に怯えているよりも、仕事を見つけて毎日ちょこっとでも現金を手に入れませんか。ちょっとの現金が趣味やおけいこ、交友関係と、暮らしをより豊かにし、ゆとりを産んでくれるのです。なにより、いくつになっても「今日行くところ」と「給料日」がある幸せは大きいもの。いきいきと働くシニア世代に、仕事を得た方法と働き続けるコツを取材。シニアを受け入れる企業や一緒に働くヤング世代の声、働きたいシニアをあと押しする公的支援などの情報もまとめました。これから年金生活を迎えるみなさんが、自分らしく働き続けることができるためのノウハウが詰まっています。

 

東京しごとセンター

 

この記事は書籍『65歳で月収4万円。 年金をもらいながら ちょこっと稼ぐコツ』からの抜粋です

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