月刊誌『毎日が発見』の森永卓郎さんの人気連載「人生を楽しむ経済学」。改正健康保険法が可決して、これから自分の医療保険料負担が気になります。今回は、「増える後期高齢者の医療保険料負担」についてお聞きしました。
生涯続く医療保険料の支払い
75歳以上の医療保険料を所得に応じて引き上げることを柱とする改正健康保険法が参議院本会議で可決・成立しました。
引き上げられた保険料は、今年4月に少子化対策のために42万円から50万円に引き上げられた「出産育児一時金」の財源などに充てられます。
加藤厚生労働大臣は、比較的所得の高い後期高齢者に負担を求めるもので、全ての後期高齢者が負担増になるわけではないとしています。
ただ、来年度は年金などの年収が211万円を超える人、再来年度は153万円を超える人が保険料引き上げの対象となるため、後期高齢者の約4割が負担増となる見込みです。
厚生労働省による年間保険料額の試算では、年収200万円の場合、来年度は引き上げの対象外なので、負担増はありませんが、再来年度は保険料負担が3900円増えて年額9万700円となります。
年収400万円の場合は、来年度から1万4000円負担が増えて年額23万1300円となる見込みとなっています。
具体的な保険料制度が発表されていないので、確実なことは分かりませんが、どうやら通常の保険料に加えて、年収が増えるほど大きくなる追加負担が課せられるようです。
ただ、年収400万円で年間23万円以上徴収される医療保険料というのは、いかがなものでしょうか。
年金生活に入って、ようやく年金保険料の支払いから解放されたと思っても、医療保険料は生涯支払いが続くのです。