『イラストと図解で丸わかり!世界一やさしい新NISAの始め方』 (小林亮平/KADOKAWA)第6回【全6回】
元銀行員で、現在はYouTubeやSNSで資産運用の入門知識を発信し続けている小林亮平さん。自作のイラストを駆使した丁寧な解説が好評です。その著書『イラストと図解で丸わかり!世界一やさしい新NISAの始め方』(KADOKAWA)では、新NISAに「なんとなく興味がある」「これを機にやってみたい」という方のための、新NISAの基本や上手な活用法を解説。今回はその本の中から、投資の基礎から始め方、銘柄選び、出口戦略まで、知識ゼロから新NISAを始めるためのポイントをご紹介します。
※本記事は小林亮平著の書籍『イラストと図解で丸わかり!世界一やさしい新NISAの始め方』から一部抜粋・編集しました。
全世界株式・米国株式への投資で大事な為替リスクとは?
さて、全世界株式と米国株式に投資するなら、為替リスクについてもかならず知っておきましょう。
全世界株式や米国株式のような海外への投資は、日本円と外国通貨を交換する際の為替レートが変動する為替リスクがあり、円安もしくは円高の影響を受けます。
円安と円高は混乱する人も多いですが、頭に「円の価値が」とつけると理解しやすいです。
たとえば、日本円と米ドルの為替レートが1ドル=100円だったとして、ある日、1ドル=120円に変動したとします。
そうすると1ドル両替するのに100円で済んだのが120円払わないといけなくなり、円の価値が安くなったので、円安と言います。
反対に、1ドル=80円に為替レートが変動したとすると、今まで100円払わないと両替できなかったのに80円で済むようになり、円の価値が高くなったので、円高と言います。
ここで1ドル=100円の為替レートで1ドル両替した後、円安によって1ドル=120円に変動したら、再度両替して日本円に戻すと20円の利益になります。
反対に円高によって1ドル=80円に変動すると、再度両替した際は20円の損失になってしまいます。このように、円安は為替による利益を生み、円高は為替による損失を生む要因となるのです。
その上で全世界株式や米国株式への投資は、為替の変動により損することもあります。
ある米国株式の株価が30ドルだとしたら、1ドル=100円の時の円建て評価額は3000円(30ドル×100円)となります。
その後、米国株式の株価が35ドルに上がっても、1ドル=80円と円高に傾いた際の円建て評価額は2800円(35ドル×80円)と、為替差損によって200円の損失を抱えてしまうのです。