衰えを否定せず若さも保つ「80%主義」のススメ/老後の不安の9割は無駄

せっかく迎える「第二の人生」、イライラ・クヨクヨしていてはもったいない! 見えない将来に不安ばかり抱き、ひたすら悩みを膨らませているシニア世代のために、より楽にすがすがしく生きていくための心の持ち方を伝授します。

※この記事は『精神科医が断言する「老後の不安」の9割は無駄』(保坂隆/KADOKAWA)からの抜粋です。

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完璧主義は無駄。「80%主義」で十分

真面目で一生懸命生きてきた人ほど、歳をとってから理想と現実に悩むことが多いそうです。自分では若いつもりでいても、この前まで簡単にできたことを難しく感じたり、気力や体力がだんだんに衰えてくると、自分の老いにショックを受けてクヨクヨ悩んだり、元気がなくなることがあります。

階段の昇り降りに手すりを使うようになったり、電車の中でなんとか座席に座ろうとしたり、出かけるのが面倒でつい出不精になったり......。ふと気がつくと、老いの兆候が目の前に現われて、愕然(がくぜん)とした人もいるかもしれません。

そのほかにも、よく物をなくしたり落としたりする、老眼鏡なしでは新聞が読めなくなった、物忘れが多く人の名前が出てこない、朝までぐっすり眠れなくなった、などがあるでしょう。一般に、定年を迎える頃になれば、こうした老化現象を避けて通ることはできません。

これらは誰にでも訪れる生理学的な変化ですから、ほとんどの人は「自然の流れだから」とあきらめて、自分なりに老化を認識していくようです。ただし、老いを認めず、若い頃の基準をそのまま引きずって、自分を苦しめてしまう人もいます。

しかし、「自分はまだまだ若い人には負けない」「いまでも全力を出せば昔と変わらない」と頑張ってみても、心身の衰えは否定しようがありません。ある程度の老いを認めないことには、現実との折り合いをつけられないのです。

これまでビジネスの最前線で働いてきた男性が「いつまでも現役で活躍し続けたい」と願うのも、いつも若さと美しさを大切にしてきた女性が「これからもきれいな容姿を保っていたい」と望むのもわかりますが、その理想があまりに高いと、埋められないジレンマに陥って、心が疲れきってしまうでしょう。

人間は生まれた瞬間から老いに向かって歩き出しているのです。誰もそれを否定できません。

つまり、できないことはある程度あきらめて、あるがままの自分を受け入れながら、できる範囲で若さを保つ努力をすればいいのではないでしょうか。定年を迎える年代になったら、何でも100%やり遂げようという完璧主義は捨て、80%の力で余裕を持って物事に取り組む「80%主義」にシフトするのもいいでしょう。

ただし、「もう若くないから」と年齢を言い訳にして、若さを維持する努力を手放すのは感心しません。老いに対して過度な抵抗はせずに、それでも気持ちの若さは保ち続けるというのが、上手に歳をとるためのセオリーだと思います。

「若い頃の80%もあれば十分!」そう考えて自分の能力と折り合いをつけ、無用なイライラは吹き飛ばして、いまを精一杯生きることに徹しましょう。

 

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保坂 隆(ほさか・たかし)

1952年、山梨県生まれ。聖路加国際病院診療教育アドバイザー、保坂サイコオンコロジー・クリニック院長。慶應義塾大学医学部を卒業後、同大精神神経科教室入局。1990年より2年間、米カリフォルニア大学ロスアンゼルス校(UCLA)精神科に留学。東海大学医学部教授、聖路加看護大学臨床教授などを経て、現職。著書多数。

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『精神科医が断言する「老後の不安」の9割は無駄』

(保坂隆/KADOKAWA)

ようやく「第二の人生」を迎えても、先の見えない将来に不安を抱え、イライラ・クヨクヨと悩みばかりを膨らませているシニア世代は多いもの。「何となく」「わけもなく」思い悩むことはもう終わり!これまでのこだわりを捨て、老後の時間を心豊かに過ごしましょう。充実した老後を「楽に」生き抜く秘訣が満載の「シニアのための生きかた読本」です。

この記事は書籍『精神科医が断言する「老後の不安」の9割は無駄』からの抜粋です
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